『 チャイナでJTM+Bear 』



一方こちらは翼と三杉の部屋。
白地に赤の縁取りを施したロング丈のチャイナドレスを身に纏った翼を自分の膝にかかえて、三杉はその姿を褒めちぎっていた。
「素敵だよv翼くん。よく似合っている。」
「そお?」
「翼くんには何を着せても似合うんだけれど、今日のチャイナドレス姿はまた一段と艶っぽいね。」
「そお?」
俺様王様な翼は褒められるのが大好きだった。そんな翼を三杉は褒めて褒めて、褒め殺しながら徐々に自分のペースに持っていくのだ。
「でも、一番魅力的なのは『恥じらい』だけを身につけた姿だけどねv」
「そお?ふふふ・・・じゃあ、自分から誘っちゃうような恥知らずな子は嫌い?」
「・・いや、それならその方がより一層いいんだけれど・・・今日は翼くんから誘ってくれるの?」
「ふふっ。どうしようかな・・・」
そっと二人の顔が近づいていった時・・・

ドンドンドン!

ドアを叩く音が聞こえた。三杉の顔から表情が消える。
(誰だ?やっといい雰囲気に持ってきたのに・・・)

ドンドンドン!!ドンドン!

ドアを叩く音はますます激しくなる。
「誰か来たよ。出ないの?」
「いいよ、そんなことより・・・」

ドンドンドン!「〜〜〜!!」
ドアを叩く音とともに叫び声が聞こえたような気がした。すると、
「岬くんだ!」
叫ぶが早いか、翼は三杉の膝からするりと逃げ出しドアに駆け寄って行った。
(何故だ?ドアからは一部屋隔ててるし、寝室のドアも閉まってるのに何故岬くんの声だとわかるんだ〜?!)
三杉は半泣きになった。
(ここまで来て・・・今日はお預けかも〜・・・)

ガチャ
「岬くん!」
「翼くん!」
ドアを開けると二人はほぼ同時に名前を呼び合った。
「うわ〜!何でこんな格好してるの?!岬くん?」
翼は岬のピンクなミニ丈チャイナドレス姿をみて目を丸くして驚いた。(お前もだ 笑)
「聞いてよ!翼くん!若林くんったら酷いんだ〜!」
岬は翼に泣きつきながら事の次第をこれこれと説明した。いや、言い付けた。
「ふ〜ん、そんなことされたの〜・・・」
よしよしと胸の中の岬をなだめる翼の姿を三杉はうっとりと見つめていた。
(あ〜あ。とろけるような表情しちゃって・・・あんな顔は僕には見せてくれないんだよな。いいな、岬君は・・・)
そんな視線を感じたのか?翼と目が合った。翼の目線が問い掛ける。
『三杉くん、カメラ持ってる?』
『もちろん。持ってるよ。』
にっこりvv
翼の目が月の欠けるように細まっていく。そしてそれと同時に理性も欠け、本能のみが満ちるのだ。
(あ〜。『鬼畜っつ〜くん』になっちゃったよ〜・・・)
しょうがないなと三杉はカメラの準備を始めた。
三杉も翼のチャイナドレス姿を写真に収めるべく、ちゃっかり『一眼レフカメラ』を用意していたのだ。

「岬くん・・・」
くすん、くすん。と可愛く泣き続ける岬の涙を唇ですくい取りながら、一番弱い耳元で翼は囁いた。
「・・・俺と一緒に続きをしようねv」
「・・・!!いやーーーーっ!!」
極上の微笑で自分をがっちり捕らえる翼の腕の中で岬は激しく後悔した。
誰よりも変態で、誰よりも鬼畜なのは『大空翼』だったことを忘れていたことに。

cyaina_tm.jpg

・・・・・

それから「あ〜んなポーズ」や「こ〜んな格好」をさせられて写真撮影を終えた岬はがっくりと肩を落しながらしぶしぶ若林の元に帰った。
部屋のドアを開けると目を真っ赤にした若林がいて、
「どんなにドアを叩いても、大声張り上げて叫んでも返事がないから心配したんだぞ!」と抱きついてきてくれたし。それに・・・
「これ以上翼くんといると何されるかわかんない・・・くすん。」
こっちが本音だった。


後日、岬と若林の元にアルバム・・・というか『写真集』が届いた。
ご丁寧にも内容がそれぞれ違っていて、若林宛の方は岬のみが写っているページばかり、岬宛の方は岬だけのページは無く、翼とのツーショットばかりで構成されていた。
そしてそれぞれに翼からの手紙も同封されていた。

若林くんへ
岬くんに可愛い格好をさせてくれたのは君だから分け前としてこれをあげるけど、今度岬くんが泣きながら俺の所へ来るようなことがあったら
もう、君の所へは帰さないよ!覚悟しておいてよね!    翼より

これを読んだ若林は蒼ざめ、岬に何度も「もうしないから!」と約束をした。

岬への手紙にはたった一行、こう書いてあった。


ありがとう!岬くん!俺、萌えてるよvv




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