標本

俺の下に捕らえた君に着物を着せて
俺に縋りつく君の小さな手のひらと
俺に絡まりつく君の生白い足を引き剥がし
ベッドに釘で打ち据えてしまおうか


かの聖者のように
あの標本のように


君の唇はつぶやくだろうか
― 主よ、私を見捨てるのですか ―


君の姿は永遠になるだろうか
ガラスの向こう
美しい文様を描く鱗粉を零す事無く
釘付けにされた
あの標本の蝶のように


俺の愛は永遠になるだろうか
釘付けにされた
この気持ちも身体も
あの標本の中にあるように


打ち据えられてつぶやこう
― 岬、俺を見捨てないでくれ ―



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千ちゃんありがとう〜〜。
そして、今頃になってしまってごめんね。