身代わりという犠牲の先にあるもの(前編)




「敵襲だ〜〜〜!!」



いつものごとく平和な空気を纏った小さな海賊団、麦わら海賊団が、午後ののんびりとしたティータイムを満喫していた時に、その声は響き渡った。
見張り台にいたウソップが叫ぶ。
暖かい日差しの下、パラソルの影で新メニューのケーキをちょうど食べ終わったナミはため息を吐いた。紅茶はまだ、あとひと口カップに残っていたが、慌てる様子もなく、最後のひと口を飲み干す。
隣で本を読んでいたロビンはすでに飲み終わった後だったようで、サンジに「ありがとう」とカップを返すところだった。

「せっかくのティータイムだっていうのに・・・。」

愚痴る航海士に飲み干したカップを受け取るべくトレーを差し出すサンジは苦笑する。

「でも、良かったよ。食べてもらった後で・・・特に今日は自信作だったから・・・。まぁ、途中だったとしても、せっかくのティータイム。俺が御2人の大事なお時間の邪魔はさせないけどね〜。」

頼もしそうな笑顔につられて笑うナミは「そうね〜。」と溢す。

「うん、今日のはまた一段とおいしかったわ、サンジくん。特にみかん味のスポンジとクリームが最高!上手にみかんを使ってくれてうれしいわvvあいつらに食べさせるのがもったいないぐらい・・・。」
「ナミさんにそう言ってもらえるとうれしいね!まぁ、クソゴム達にはなんでもいいかもしれないけど〜・・・。」

2人がチラリと横目で見ると、この船の船長はすでにやる気マンマンらしい。グルグルと腕を回している。

「ようし〜〜〜〜。お腹いっぱいだし、やるぞ〜〜〜〜!!!」

まだ敵船の乗組員すら確認できない距離にも関わらず、向うへ腕を伸ばさんとしている。
ドオン、ドオン、と大砲を撃ってきだしたが、威嚇ということが分かっている為か、対して誰も慌てない。が、波しぶきがあがり、船が揺れるのでそれなりに足腰を踏ん張らねばならないのだが。

「でもって、終わったらもういっかいおやつな、サンジ!」

「「喰うんかいっっ!!」」

クスクス笑うロビンに呆れるナミ、「今日はおやつなもうしまいだ〜〜〜!!」と怒鳴るサンジは、まだティータイムの余韻を残しながらも揺れが大きくなってきた船に、襲撃に備えて動き出す。

「結構人数少ないぞ、あれ!」

ウソップがゴーグルを調節して叫んでいる。発見時には、確認できなかった敵船の様子が徐々にわかってきた。
かなりの大型船だが対して人数はあまり見受けられない。敵の人数などはこの麦わら海賊団にはあまり関係ないが、少ないに越した事ない。
だが、人数というよりは戦闘に一番関係しているのは、それは相手の力量だ。それも、相手から発せられる気配で大概は察しがつく。
今だ大砲を打つだけの距離にも関わらず、それもすでにわかったのか、船長も戦闘員であるゾロも余裕の笑みを浮かべている。
その様子を見て、自分も参戦しようと考えていたサンジは、結局コックの仕事を優先しようと考えたらしい。そのまま足をラウンジへと向ける。
カップや皿の片付けもあるが、先に夕食の下拵えをしておかねば、戦闘後にいつ船長が「腹が空いた〜〜。」と喚くわわからないのだ。それも相手の力量や、自分がどれだけ暴れたかに関係なく。
まったく困った船長だ、と肩を竦める。が、そのまま大丈夫だろうと、他の男連中に任せるつもりでサンジはよろしく〜と手を振った。
任されている中には、膝をガクガク震わせているウソップや、バタバタと走り回っているチョッパーも含まれている。どう喚こうが、彼らも問題なく闘えるぐらいの敵の力量だということは、誰にも感じられた。

「ナミさ〜〜ん、ロビンちゃ〜〜、お2人はラウンジでお休みなさってくださ〜〜〜い。あのむさ苦しい連中は、うちのむさ苦しい奴らにまかせようよ〜〜。」
「そうね〜。ルフィとゾロだけでいいかしら・・。あ、もちろんウソップもちゃんと働きなさいよ!」

ラウンジのドアを開けて2人を招きいれるつもりで呼んだ。ナミもそれに同意してウソップ達にも釘を刺す。

「誰がむさ苦しいんだよ!」

いちいちそんなことに反応するな、と内心思うがついついゾロは反応してしまう。

「あぁ?いいじゃねぇか。すでにやる気マンマンだろうが!」

ケッ、とばかりに煙草を噴かすサンジを睨むが、ゾロの睨みはこの船の仲間には一部を除いて効いた試しがない。

「チッ」

舌打ちしているうちに、いつの間にか敵船が近づいたのか、うおおおおぉぉぉ、と声が響く。

ゾロがハッとするとすでに敵船は間近に迫っていた。と、いっても慌てる必要などなにもない、とゾロは考える。人数も力量も取るに足らない。
船長も同様に思っているのか、多少不満げな様子は隠せられない。といっても、戦闘自体が楽しいらしく笑みは溢しているのだが・・・。
ゾロは大きく息を吸って、回りをぐるりと見渡す。
ウソップは、見張り台でそのまま構え、チョッパーはラウンジ前にいる。

あれじゃあ、ラウンジに何かお宝があると思われてしまうかもしれないが、まぁ、いいだろう。下の部屋へ入られるよりはマシだろう。ラウンジにはコックがいる。いざとなれば、コックが加勢するだろう。ある意味目くらましになるかもしれない。
しかし、どちらかといえば、敵船で戦闘に入るのが一番望ましい・・。

そう思ったら、メリー号が大きく右舷へと曲がった。

「ナミか・・・。」

自分が考えてもわかりそうなことは、やはり誰でもわかるか、とゾロは笑う。
誰だって、自分達の船が戦場になるのは避けたい。
左舷より迫ってくる敵船との距離を測り、ルフィとゾロが敵船に乗り込む。そこで、メリー号は少し離れるという寸法らしい。

そういうことか・・・。

ゾロは船首にいるルフィのところへと向かい、声を掛ける。

「ルフィ・・・。」
「ん・・・?」
「行くか?」
「おうっ!!」

楽しくてたまらないという顔をして船長が笑う。
ルフィの腕が伸びた。置いていかれないようにその身体に掴まる。

グイイイイィンンと伸びて、その勢いで敵船へと向かう。

「うおおおぉぉっっ!!」




ガコオオオン

と勢い余って敵船の甲板に穴を開けてしまった。もちろんそれは別に気にする事でもないし、反って好都合だ。

「よっっしゃぁ!!ゾロっ!!ヤるぞっっ!」
「おうっ、船長!!」

お互いニヤリと目を配せ、離れていく。





ルフィとゾロは好き好きに暴れた。ここ最近、特にこれといった発散口がなかったからだろう。
ルフィにしみれば、普段、船の中で遊びまわるのは、それなりに発散していると言ってもいいかもしれない。ゾロにしてみれば、サンジとのケンカも見た目と違い楽しさを感じているかもしれない。
それでも、やはり戦闘になれば、ついつい笑みが零れるのは元々戦いの場に己の存在を確認できるからだろうからか。

やはり最初の読み通りに大した海賊団ではなかった。
大技を繰り出す必要もないくらいだった。



ちょっと拍子抜けだな。と、粗方片付いた敵船の甲板上で刀についた血糊をフイッと払った時だった。
すでに静かになった筈の空気にパァンと緊張を強いる音が辺りに響いた。
戦闘なら当たりまえに響くただの銃声が、何故か今回は脳に緊急信号を鳴らした。

「何だ!!」

少し離れたところでルフィも驚いた顔を隠せないままキョロキョロとしている。そのルフィの回りもやはりすでに戦闘を終えて今は倒れたその船の乗組員だけだ。
一体、どこから・・・。と、ゾロがもう一度銃声のした方を確認しようと首を回すと・・・。

「剣を離せ、ロロノア・ゾロ!」

意外なセリフと共に、ドオンと新たな音が響いた。これは先ほどの銃声とは違って多少鈍い音だ。銃というより、大砲に近い音だった。
その大砲のような音に混じって、「がはっ」とルフィのいた位置より呻き声が聞こえた。

「ルフィィ!!」

ゾロが振り向くと、網にからまったルフィが目に入った。

「何度も同じことを言わせない方がいいぞ。ロロノア!」

今度は声のした方に振り向くと、誰もいなかった筈のその甲板上に見慣れぬ男が立っていた。

「誰だ・・・・?貴様。」
「あぁ、このコブラ海賊団の船長、コブラよ。騙しのコブラとは俺のことさ・・・。噂の麦わら海賊団も結構あっけないものだな・・・。」


ニヤニヤと笑う男の後ろには、何故か自船の仲間が全員後ろに立たされていた。それらは皆、いつの間にやらロープで縛られていた。
そのすぐ後ろには、いつの間にやら、離れていたはずのメリー号も横並びに波間に揺れているのが確認できた。

一体どうして!

「てめぇ一体、何やってたんだ!クソコック!!どういうことだ!!」

突然の形勢逆転の意味がわからなくて、ついゾロは戦闘員にもなる麦わら海賊団のコックに噛み付いた。

「違うんだ!ゾロっ。・・・・俺がっ。俺が悪いんだ!!」

そう慌てて返答したのは、責められたサンジではなく、その横で、やはり網でできているらしい綱に縛られたチョッパーだった。
そのチョッパーの横には笑みを溢すまだあどけなさが残る少女が立っていた。

「そうね・・・・貴方の所為ね・・・・・。ねぇ、優しい鹿さんv」

可愛らしい笑みをするその少女もきっとコブラと称する海賊団の一員だろう。
言葉から察するにきっと手が出せなかったんだろう。このまだ幼い少女に。いつもなら女性に甘いアホコックもだが、今この敵の女の子に蹴られているチョッパーもまた優しい。きっと相手に躊躇したのだろう。そこを衝かれたか。
ゾロはなんとなく合点がいった。
この船の仲間はみな心根は優しい。一人が手を出せなかった相手に他の者がそう易々と手を掛けることはそう簡単には出来ない。

「お前の所為じゃないさ、チョッパー・・・。」

そう庇う言葉を発する主もまた、きっと相手が少女と知ったところで、きっとチョッパー同様に手を出せなかっただろう。結果は誰だろうと同じだ。
声に多少苦しさが見えた。よくよく見れば肩から血を流している。いつ撃たれたのだろうか。
まったく情けない奴だと舌打ちする。ルフィは網の中から静観しているのか、はたまた力が出ないのか、大人しくなってしまった。きっと彼を捉えている網は海軍が使用していたのと同様で海楼石が使われているのだろう。


どいつもこいつも・・・。
内心ゾロはため息を吐いた。


「もう一度言う。刀を離せ。ロロノア・・・。」

自分のことをへびと名乗る男は声高々に叫ぶ。
なるほど、へびのような顔つきの船長だった。チロチロと見え隠れする舌はへびのように長いらしく何度も唇を舐め上げている。目は細く釣りあがり、顔の細い輪郭からしても誰もがへびをイメージできるだろう。髪ですら爬虫類を思わせるチリチリとした縮れ毛で御世辞にも船長の器には見えなかった。
そして、船長だけでなく、回りに立つ幹部達もみな、容易に力量がわかるものばかりだったのは、最初敵船を見つけた時から変わらない。如いて言えば頭が切れるのか、ずる賢いのか。
へびとは全然関係ないだろうが『騙しの・・・』と言ってたからきっと、そうして生き延びてきたのだろうと、麦わら海賊団は誰もが思った。

「陽動作戦か・・・。チッ、つまらない作戦に引っ掛かったものだ・・・。」

声にしたところで仕方がないのだが、ついゾロは呟いた。


すでに自船にいた全員が縛られている今、抗っても仕方が無いとゾロは踏む。もちろん船長も海楼石の網に捕まえられている今はとりあえず大人しく従うしかないだろう。
ゾロは刀を甲板に突き刺す。ただ単に手を離すよりは、隙を狙いすぐに刀を手にできるように取り易い位置を考えたのだが、それは意味を成さなかった。
すぐに敵船の船長の横に立つ幹部らしき男が刀を奪う。そのまま、まだ懐にあるものまで鞘ごと持っていかれた。

クソッ

内心悪態を付くが仕方がない。
どうせ、ゾロ以外の人間では、刀を使いこなせるような輩はこの船にはいないだろうことは回りの人間を一巡してもすぐにわかった。刀は敵の手に渡ったが、それを敢えて自分の獲物とする輩はいないだろう。格納庫にでもしまわれるだけだ。
同時に、何人かの男達により、ゾロもすぐに拘束された。後ろ手に身体ごと縛られる。
他の仲間もすでに縛られているが、サンジの足には更に鎖で両脚が繋がれていた。ついでに言えば、肩を撃たれた為か眉を寄せている。
ルフィは網から出されたが、やはり海楼石を使われているだろう綱で縛られる。やはり力が出ないのか、立っているのもやっとと言う感じだ。それはチョッパーもロビンも同様のようで、能力者は皆かなり辛そうにしていた。
ナミもウソップも大してケガもしていないようだが、ここはやはり俺が一番動けるだろう、とゾロは踏んだ。

しかし、敵船に乗り込んだ時に粗方片付けたと思われた船員は、実はまだかなりの人数がいた。
『騙し』で半分の人間がひっそりとメリー号に乗り込み、奇襲を図ったというわけだろう。その中にはまだあどけない少女すら交えて。
ただし女はその子ただ一人だった。どういった経緯でその少女が1人でこんな海賊船にいるかはわからないが、とりあえず作戦の要因の1人ではあるだろう。”だまし”の海賊船の中では。



そんなことよりも当面の問題はいかにして逃げるかだった。




















牢として使われているらしい倉庫はこの船の最下層にあった。
そこに縛られたまま投げるように部屋に押し込められらた。

「いてっ!」

そう呟いたのはウソップだったか。
次々に部屋に投げ入れられた。
女性は別扱いかと思われたが、同様に部屋に押し込めらた。それにはサンジが一番安堵した様子だった。
それが牢獄で隣や別牢なら、また話は別になるのかもしれないが。部屋になっている牢でまったく見えない離れた部屋へ閉じ込められるのは、その女性がどういった扱いを受けるのかが心配されるからだ。
何故ならそれは海賊だから。
当たり前といえば当たり前なのだが、敵に捕まった女性がどういった扱いを受けるか、それは誰でも容易に想像がついた。いや、想像ではなく事実としてそうなるのだ。

最後に押し込められたナミが「キャッ。」と声を出す。
麦わら海賊団のメンバーを倉庫に押し込めた男がその声に片眉を上げ、そのまま一緒に倉庫に入ってきた。
捕虜を部屋に押し込めれば終わるはずの下っ端がやるべき仕事はそこで終了の予定が、部屋へ入ってきたことで、それ以外に捕虜に用があることを告げる。
それは1人ではなかった。

最初に入ってきた男などは、今にも垂れんばかりのヨダレが口端から見えた。

下種が。
と、誰もが思う。
が、この先の状況を予想して身体を震わす。
それに真っ先に気が付いたナミがずるずると後退る。
捕虜となった麦わら海賊団全員が倉庫の奥へと並ぶように座らせられたが、厭らしい顔を隠しもしない体だけ大きい男は女性陣を前に出そうと手を伸ばす。

「ねぇちゃん・・・・・相手してもらおうか?」
「ヒッ!」

イヒヒヒヒ
と隠しもしない嫌な笑い声が部屋内に木霊する。

「おいおい、気が早ぇな。」

隣にいた少し小柄な男が言う。この男もまたすでに脳内で女性を犯しているのだろうか、膨れた股間を隠そうともしない。

「だぁってよ〜〜。お頭達は上で酒飲んで騒いでるんだぜ。俺たちは一滴のお零れもなくこいつらの見張りだぜ。どうせ、後でいいようにしちまうんだろう?この女達。だったら、先に戴いたっていいだろうが!」
「まぁ、そうだな〜。売り物にしちまうって言っても、先に皆で楽しむんだ。後だろうが今すぐだろうが一緒だな・・・。」

あまりの早急さに息を詰める。
が、すでに事を先に進めようとする二人の他後ろにいる男が一人がおいおい、と止める。

「って、いいのか?俺達が先に犯っちゃったらまずいだろうが?」
「あぁ〜ん、肝が小さいな、てめぇ。あそこもちっちゃいのか?大丈夫だよ。バレねぇよ。どうせ処女じゃねぇんだ。人数が少ないとはいえ、海賊の中にいるんだぜ。もともとこいつらの女だよ。」

ゲヘリと笑う大男の言葉に、サンジがプチンと切れた。それは船長も同様だった。が、しかしどうすることも出来ない。ただただ相手を睨みつけるしか出来なかった。
ギロリと睨み上げる捕虜には気が付かず自分対だけで盛り上がるバカな男どもだった。

「どうせ見てたって特はないぜ?どうだ?一緒に楽しもうや!」
「そ・・・・・そうか・・・?・・・・そうだな・・・・・・じゃ、俺も!」

3人の男が飢えを求めて部屋の奥へと進む。


「やぁ〜めぇ〜ろぅぉ〜〜〜〜・・・・・。」

力の出ない船長は声にならない声で奴らを止めようとするが、気持ちとは裏腹に増々力の出なくなった体はすでに床を這いずるしかなかった。
ウソップやチョッパーはどうしたらいいのかわからないままに、事の先を想像して涙を流す。
ナミはただ震えて後退くばかりで、ロビンは諦めたのか、俯いて静かにしている。
ゾロはギリギリと歯ぎしりするしかなかった。

チャンスさえあればこんな相手は一捻りなのに、今はそのチャンスが来る前にヤバイ展開になっている。
ナミもロビンも海賊になった段階である程度の覚悟はあったのだろうが、しかし、彼女達が望んでいないことは誰だってわかる。長年いろいろな海賊を渡り歩いているロビンは諦めもつくだろうが、だからといって黙って指を咥えてみているわけにはいかない。ましてやナミは完全に怯えている。
普段の戦闘なら男に負けることなく闘えるというものだが、これは違う。男と女の力の違いを咋に見せ付けられるこの行為は、誰が考えても許しがたいことだ。
誰もが、対処法を見つけられないまま汗を流していた。


そこへ。

フッとゾロの横にいた男が動いた。
怒りが頂点に達したのかと、ゾロが横を向くとサンジと目があった。
ゾロにしか聞こえない声量で「時間を作る。」と呟くと後ろ手で繋がれた手に何かが渡された。
顔を後ろに向けることも出来ない為、手探りでそれが何かを探る。触った感触で分かったのは、それはサンジのジッポだった。
ハッと再度サンジの顔を見つめるゾロにニヤリと笑う。

「それでどうにかしろ。」
「しかし、時間を稼ぐって・・・・?」
「ナミさん達、頼むな・・・。」
「あぁ・・・・?」

ボソボソと会話をしていて、聞こえなかったとはいえ、相手に気づかれた。

「どうした、兄ちゃん達・・・。あぁ〜。もしかして、オレンジの女はどっちかの女だったか?だったら悪ぃな?彼女が犯られる所でも見て自分でも出しなよ。」
「おいおい。そりゃあ、できない話だぜ?自分の手ぇ、使えねぇもんな〜?」


ガハハハハと品のない笑い声を上げ、ナミに手を伸ばす。

「待て!」

男とナミの間を塞ぐようにサンジが前にずり出てきた。






「俺が相手をしてやるよ!!」





05.12.15.


HOME    BACK  中編




コメント:すみませんすみませんすみません・・・。