いつか桜の木の下で5
「どうぞ、クロコダイル様。こちらの部屋になります。」 「うむ。」 楼主自らの案内で、普段入らない廊下の奥まで進んだ。 見世の賑わいが遠く感じられ、辺りは静かだ。ここに来るまでには、賑やかな三味線の音や遊女の声が聞こえてきたが、この差はなんともいえない。 通常使われる部屋群を通りぬけて進んだ部屋。離れと呼んで相応しいほど見世の奥へ入った部屋。特別な客、または人に言えない事情がある時にしか使われないのだろう。真っ当な客を迎える大見世と違い、姑息な手を使う事の多いこの楼主には必要な部屋。 サンジは、部屋の存在は知っていたが入ったことはなかった。というか、使っている姐さんをほとんど見たことがなかった。 大抵は、それぞれに持ち部屋があるため、客をこの部屋で迎えることはない。どんなお忍びで来られた武家でも、敢えてこの部屋を使う必要はない。よっぽどの事情がない限り使われない部屋。 今がそのよっぽどの事情なのだろう。そう考えると、これから先のことは考えたくないと頭が拒否をする。 クリークがゆっくりと襖を開けた。 いつの間にか灯りが灯されている。 部屋の広さはロビン姐さん達が使っている部屋と大差ない広さだ。調度品は使い古された形跡もなく、綺麗に整えられている。が、まったく使ったことがないという訳でもなさそうだった。 と、いうよりもすでに掃除も済まされたことが伺える。慌てて用意したような様子はない。なぜ?使う事がわかっていた? 疑問に思っていたサンジは、一番真正面に設えて、すでにそこに存在するものに凝視する。 すでに灯りが灯されていたことからも考えるに、そして、今、目の前にすでに用意されている褥に、サンジの顔は青ざめた。 最初から、クリークはこのことをわかっていた!? 思わず振り返って見た楼主の顔はニヤリと歯を見せて嫌な笑み溢している。 「クリ―・・・。」 「さぁ、どうぞ、ご遠慮なく。」 サンジの言葉を遮って、楼主は、大事な客を迎え入れる。 「この部屋は特別用意させていただきました。どうぞ、ごゆっくりと寛ぎください。」 言葉でもって、クロコダイルを促す。 部屋の設えにも満足したのか、クロコダイルは「うむ。」と頷くと、呆然と立ち尽くすサンジの腕を取り、さっさとその中に足を踏み入れた。 「あっっ。」 そのままつんのめって転びそうになるところを、クロコダイルの身体が受けとめた。 サンジを片手で抱きとめると、クロコダイルは、クククと笑いを口端から溢した。 一旦、ギュッと抱きしめたあと、そのまま褥の上にサンジを放り投げた。 「悪くなさそうだな・・・・。」 ドサッ 「っっ!」 普段縁のない、ふわりとした布団の上に転がされて、サンジは一瞬、その感触に目元を緩めそうになるが、いやいや、そうじゃない、と首を振る。 自分が何故ここにいるのかまだ混乱したまま、それでもこの後行われることは、想像できた。 ロビン姐さんやアルビダ姐さん達が客相手にしていること。 彼女らの境遇や過去を考えると悲しいと思うし、彼女らが一生懸命生きているところを見れば蔑むなんてことすら出来ないし、それどころか、彼女らの生き様に誇りすら覚える。が、それでも自分には縁のないことだと思っていた。たとえ、同じ廓に住んでいようとも。 何故なら、自分は男で、ここは女性が男性を喜ばす場所だからだ。男が同じ性の男を悦ばす場所もあるのは知っているが、それはまた別の所で、ここではない。男を抱きたいのなら、そういう場所はいくらでもある。 それなのに。 何故、この客は、男である自分に遊女と同じ事をさせようとしているのか・・・。しかも、身体だって抱き心地がいいような身体ではないし、料理番をしているのだから客を悦ばせる手練手管なんて持っていない。 皺の寄った布団の上で固まっているサンジの元にすり寄り、客は、サンジの金の髪を愛おしそうに梳いた。 「綺麗な髪だ。ほのかな灯りに映えて、さらに輝いて見える。毛唐の血が混じっていようが、このような美しい髪をした者を俺は見たことがない。」 「・・・・。」 「あぁ、だが折角の金の髪なのに、お前が着ている着物はみずぼらしい。今度から、ロビン達のように着飾って俺を迎えるんだ。」 クロコダイルの言葉に、サンジは目を見開く。 思わず助けを求めてクリークを振り返ったが、いつの間にか襖は閉じられ、楼主の気配すらなかった。 当たり前か。そのために、彼はここにサンジを連れてきたのだから。 「さぁ、その汚れた着物を全て脱ぎ棄てるんだ。」 一体自分はこの男のどうされようというのか。 いや、わかっている。ロビン姐さん達がしていることと同じ。この男を客として迎えて、彼を喜ばすために身体を開くのだ。 それがどういうものかわからない年でもない。同年代であるナミなどは、それをもうすぐ実際に行うのだ。 でも。 でも・・・。 なんで? なんで・・・? 言葉ではわかっても、感情が理解していない。 何もできず、何もいえないサンジをそのままに、皺皺によれた着物は、引きちぎる勢いで剥がされた。その勢いでサンジは肩を大きく打ちつけるが、クロコダイルは気にせず、サンジが身につけている全てのものを剥ぎ取っていく。 下穿きも素早く剥ぎ取られ、あっという間に真っ裸にされてしまった。 ほぅ、とクロコダイルは感嘆の息を吐いた。 「白く綺麗な肌をしている。遊女の化粧の白さとは違い、本当の美しい白い肌だな・・・。」 クロコダイルの表情が愉悦に歪んでいる。 今だに混乱しているサンジは、身体を震わせることしかできなかった。 「こんなに怯えて、可哀そうに・・・。俺が慰めてやろう。」 歪んで上がった口端に赤い色を見せ、クロコダイルは今度はゆったりとした仕草でサンジの中心部に手を伸ばしてきた。 唇の奥に覗く舌が厭らしく蠢くのを、サンジは見つける。 「やっっ・・・!」 思わず上手く動かない身体を、それでも条件反射のようにして捻る。 慌てて陰部を隠そうとした手を簡単にクロコダイルに取られる。腕を掴んでクロコダイルは、ふふんと笑った。 彼の目の前には、サンジの大事な部分が真正面に露わになっている。 クロコダイルの視線が痛く、サンジは足を閉じてその視線の先を絶った。 「初いじゃねぇか・・・。ま、当たり前か。可愛がりがいがありそうだ。」 空いた方の手でサンジの閉じた足に手を掛ける。 思わず足に力を入れて拒否を示した。 「多少の抵抗はあった方が可愛げがあるというものだが、あまり強く抵抗するようなら考えがあるぞ。」 クロコダイルの言葉にサンジはギュッと瞑っていた目を見開く。そのまま、クロコダイルを凝視した。 「突然のことで怖かろう。」 言葉は優しいが、表情は嗤っていて声音は嘲りが入っている。だが、悔しくともサンジは為す術がない。ただ、コクンと頷くしかできなかった。 「お前には俺がどう映っている?」 「・・・・。」 下手に答えるといけないような気がして、そして、言葉も浮かばないので黙った。 「ロビン達から俺がどういう男か聞いているだろうが・・・。俺は、お前のことを最初から聞いて知っていたんだよ。」 やはり、クロコダイルはサンジのことを知っていて、彼を手に入れたくて、今回のような展開に持ち込んだのだ。それはきっとクリークも承知の上なのだろう。 「楼主のクリークに話をつけて、お前を俺のものにすることにした。」 クロコダイルの言葉に、サンジの頭の中には絶望が広がっていく。 「今日、お前を抱いて気に入れば、ロビンやアルビダと同等の華やかな衣装が着られるようにしてやろう。遊女と同じだが、喰うに困らないようにしてやろう。だがもし、お前が抵抗するようなら考えがある。」 「・・・・。」 「お前と、そうだな・・・・あの仲のよい若衆の・・・確か名前をなんと言ったか・・・?」 「ゾ・・・・ッ、ゾロをどうするんだ!?」 引き合いに出されて思わずサンジは声を上げた。 「漸くしゃべったな・・・。」 「・・・っっ!」 クロコダイルの視線に耐えかねて、サンジは俯いた。 「お前とあの若衆、一生ここから出られないようにしてやってもいい。ま、どのみちここからは出られないだろうがな。それか、この見世ではなく陰間茶屋に二人揃って売ってもらうように楼主に話そうか。」 「・・・え!?」 クロコダイルの言葉に一旦下げた顔を思わず上げた。 「この見世に母親がいた頃の借財がまだあるんだろうが。」 「・・・・。」 今度は言葉でなく、頷いて答えた。 「ここなら、お前が身体を売るだけで済む。だが、二人揃って身体を売るのも悪くねぇな。あぁ、年齢が年齢だから、もう、そうそういい値では売れないだろうがな・・・。」 クロコダイルの口調は厭らしさを滲ませていた。 「どうする?ここで俺に奉仕するか?それとも、二人揃って陰間に身を落とすか?」 サンジはギュッと目を瞑った。 サンジの頭の中に、一生懸命、手作りの剣を振うゾロが浮かんだ。汗を流して一心不乱に木刀を振り下ろすゾロは、日常の一コマだからか、サンジは容易にいつでも彼の後姿を思い浮かべることができる。 彼の夢は、強くなることだ。共に陰間茶屋になど売られたら、夢どころの話ではなくなる。サンジの所為で、ゾロにまでそんな目に合わせることなどできない。 「・・・・なら、大丈夫・・・・なのか?」 「ん?」 「ここで、俺があんたの相手をすれば、ゾロには手を出さないのか?」 「あぁ、俺はあの小僧には興味はねぇ。」 「や・・・約束だぞ!」 サンジはクロコダイルの袖に縋った。 「あぁ、俺は約束は守る男だ。・・・あぁ、だがしかし・・・。」 「?」 クロコダイルが必死な表情をそっと撫でる。 「お前が俺を満足させられないようなら、考えが変わるかもな。」 「な!?」 「遊女のような教育はしてもらってねぇだろうが、・・・せいぜい頑張って俺を喜ばせるんだな。」 「・・・っっ!」 クロコダイルは悪びれた様子もなく、ただただ嫌な笑みをサンジに見せた。 改めて、布団の上に胡坐を掻く。そして、顎で持ってサンジを促した。 「・・・・?」 「わからねぇか?」 「さっきお前も言っただろ?俺は料理番で、姐さん達のような教育はしてもらってねぇ。どうすりゃいいのか・・・。」 キッと上目遣いで睨むが、その瞳の中には戸惑いが隠せない。口調も強く出ているが、語尾は弱く尻すぼみになっていく。 「咥えろ。」 「・・・え!?」 クロコダイルの短かな命令にサンジの目が見開く。 「わからねぇのか?ここを咥えるんだ。」 「・・・・・!?」 本当に何も知らないとばかりに固まったサンジに、クロコダイルは軽く舌打ちして、サンジの髪の毛を掴んでぐいっと引っ張った。 「あっ・・・。」 痛みに顔を顰め、されるがままクロコダイルの股間に倒れ込む。 大きく膨張したそれを頬に感じたのか、さっと顔が赤くなった。意味が漸くわかったのだろう。 目でだけで聞くとクロコダイルの表情が「そうだ。」と伝えている。 サンジは恐る恐る、目の前にある布を捲りあげた。 下穿きの上からでもわかるほどに堅く膨らんだそこに、ゆっくりと顔を近付ける。 慣れぬ雄の匂いに一旦は顔を背けそうになるが、上から降り注がれる視線は、有無を言わさない強さを含んでいる。 「・・・っ。」 顔がくっつくほどに目的のモノに近付き、舌をそっと差し出した。 ペロリと目の前の布を舐める。ザラリとした布の感触と共に、その下にある魔羅の固さを舌が感じ取った。思わず顔を顰めるが逃げることは出来ないのは、決定事項で。 サンジは意を決して、口を大きく開いて布を食む。顔を傾け、唇で目の前の棒状と化したものを撫でた。 「そうだ・・・・。さすが、ここで育っただけはある。よくわかってんじゃねぇか。」 クロコダイルの声は満足そうで、手の動きもサンジの態度に気を良くしたのか、サンジの髪を上から撫で梳いた。 ただただサンジは必死に口を動かす。 手練手管とは何だよ。そんなものは知らない。 ただただ必死に唇と舌を動かした。 口だけじゃない。そうだ、手もあるのだ。 サンジは、目の前のモノをしゃぶりながら、空いている手を持ち上げた。そのまま太腿から下穿きの脇まで撫で上げる。 怖々だが、それでも意識してゆっくりと優しくやってみた。 それを除々に、強くしていき。唇と舌の動きもまた激しさを増していった。 「くっ・・・・。てめぇ・・・、本当に・・・・初めてなのか・・・・っ。」 クロコダイルの声に歓喜の色が滲んでいる。 「ほ・・・・んとうだ・・・。これで・・・いいのか?」 合間に答えたが、でもサンジは、やはりこれでいいのかわからなくて・・・・思わず顔を上げて、クロコダイルの表情を見た。 見下ろしてくる顔は、悪どさを見せているが、サンジの施す技巧に不満はないようだ。それどころか、予想以上にいいのだろう。愉悦の表情が見える。 口調とは裏腹に不安を隠せないサンジの濡れて光っている唇をクロコダイルは撫でた。 「天賦の才がてめぇにはあるようだな。さすが遊女の子どもで、見世育ちだ。」 クロコダイルの言葉に、サンジは顔を赤く染めて俯いた。 何言ってんだ。そんなものあるわけねぇだろうが。そんなことを言ったら、自分だけでなく、他にもそういった男はあちこちにいるはずだ。たまたまこの見世で生まれ育った男は自分とゾロしかいないが、他の見世でも、生まれ育った男の子が若衆になることはよくあることだ。 だが、そんな反論は口には出さず、もう一度と顔を下げた。 と、クロコダイルの唇を撫でていた手がサンジの顔を上げさせる。 何かいけなかったのだろうか、と不安に目を細めた。 この男を満足させなければ、自分もゾロも明日がない。どうしたものか、と思案していると、クロコダイルはククッと笑って、いきなりサンジの身体をひっくり返した。 「まぁ、初めてでここまで出来れば十分だ。あとは、俺が存分に可愛がってやる。」 「あっっ。」 クロコダイルは、サンジの股間を大きく割り開いた。 「さすが何も知らないだけあって、綺麗な色をしているな。」 なにをもって綺麗な色と言っているのかわからなかったが、クロコダイルの視線にどこの部分を指して言っているのかわかって、サンジはキュッと目を瞑った。 と目の前にクロコダイルの手が翳されたのか、空気でわかった。 「舐めろ。」 言葉に恐る恐る目を開いて、目の前に差し出されている指を見つめた。これを舐めろというのか。 サンジは、ゆっくりと唇を開くと、勢いよくクロコダイルの指が口に突っ込まれた。 「ぐっっ・・・。」 喉の奥と突く勢いで指を突きいれられる。 「舌を使え。さっきのようにこの指も舐めるんだ。」 ぐいぐいとさし込まれた人差し指と中指は、クロコダイルの魔羅のような太さはないが、乱暴な動きでサンジを蹂躙する。 だが、逆らうわけにはいかず、必死になって指に唾液を絡める。 びちゃびちゃと音がサンジの耳に届く。指一つでこんなにも厭らしさを感じるなんて、サンジは驚きが隠せなかった。 と、突然、唾液で濡れそぼった指を口から挿しぬかれたかと思うと、今度は開いたままだった腰の奥に痛みが走った。 「あああっっ!!」 思わず声を張り上げてしまう。 「ちと乱暴だったか?なぁに、すぐに良くなる。」 サンジを酷く扱う事にも快楽を感じるのか、口元から零れる笑い声が途絶えない。 「い・・・・痛ぃ・・・・。」 口内以上に乱暴に指を掻き回される。こんなに乱暴にされるなんて・・・とこの後どうなることかと怯えるしかない。 もしかして、このまま殺されてしまうのではないか、とそんなことまで頭に過る。 でも・・・・。 でも、このまま死んでしまってもいいかな、ともサンジは思った。 ゾロを一人残していくのは申し訳ないが、今死ねば、きっと楽になれる。 顔を見ることができなかった母や、辛い日々の中でも愛しんでくれた義母であるゾロの母親にも会う事ができる。 ゾロなら、きっと一人でも逞しく生きていくことはできるだろう。 そんなことまで考えてしまった。 「余計なことは考えるな。俺を喜ばすことだけに集中しろ。」 楽になりたいという思いに浸っていたのをクロコダイルの言葉が現実に引き戻す。 まだ、股間の奥の痛みは消えない。 が。 「あっ!!」 途端に身体に旋律が走った。 「あ・・・・・・ぁ・・・・何・・・・これ・・・・っ。」 訳もなく身体が震えだす。 止めどない快感がサンジを襲った。 「ほおぅ・・・。」 クロコダイルの目が細められた。 「そうか・・・・ここがいいか・・・・。」 酷く歪められた唇は、更に上に釣りあがった。 クロコダイルは、笑いながらサンジの中を3本の指で引っ掻きまわした。 「いっ・・・・!・・・ああっっ・・・・・ひいぃぃぃぃ!!」 強張る足の指が布団に皺を作る。あまりの快感から逃れようと身体をばたつかせた。 それをクロコダイルは笑いながら押さえつける。 「逃げるな。今、もっといいのをくれてやる。」 言葉を発したと同時に、指が引き抜かれ、サンジは安堵の息を吐いた。 これこそ狂い死ぬかと思うほどだった。 いつの間にか流れ出した涙は、赤く染まった頬をしっかりと濡らしていた。 「見てみろ。さっきまで萎えていたお前のが、指だけで今はすっかりと勃ち上がっている。やはり、廊育ちだけあって感度はいいようだな。」 クロコダイルの言葉に、今、初めて気がついたようにサンジは自分の中心を見つめた。 気がつけば、ふるふると震えているそこは、既に射精を終えたようで、自分の腹と布団を白く汚していた。 「な・・・・・俺・・・・・あ・・・・・ぁ。」 頬は涙で濡れ、身体は精液で濡れ、全身汗でびっしょりとなったサンジは、それでも男とは思えないほどの色香を発していた。 「さすが遊女の子どもだ。才能があるな・・・。」 次から次へとサンジへ浴びせられる屈辱とも思える言葉にも反論出来ず。ただただ目の前の男のいいなりになるしかなかった。 次はどんなことをさせられるのかと身体を捻って逃げを打つ所作も、今のクロコダイルにはただただ自分を誘っているようにしか見えないらしく、嫌な笑みは彼の顔から消えることはない。 と、サンジの両足首を掴み、思い切り大きく広げられた。 「っっ。」 あまりの格好にサンジは、目を瞑り俯くが、またその様子が非道な男には堪らないらしい。 「どうせ俺からは逃げられないんだ。てめぇの大事な友のためにりっぱな陰間にしてやる。喜んで俺を受け入れろ。お前はここでしか生きられねぇんだ。」 あぁ、この男が言うことは本当なのだろう。 ゾロは、立派な武士になるために、我流ではあるが剣の道を進もうとしている。 自分は、ゾロやみんなを喜ばせたくて料理の腕を磨こうとしたが、磨く腕が違ったのだろう。 喜ばせる相手も、自分が思っていた者とは違うが、きっとこの目の前の男の言う通り、快楽を求める世の男達を喜ばせるのが自分の本当の道なのかもしれない。 そんなことが、頭に浮かんだ。 と。 「あああああっっっっ!!!!」 思考が飛んだことに気付いたのか、一気に後蕾を貫かれた。 それは、先ほど差し込まれた指などの比ではない容量を持っていた。 「ああっっ・・・・あああ・・・・・・ああああっっっ!!」 悲鳴を上げることしかできない。 苦しさのあまり、両手は何かを求めるように宙を泳ぐ。そのまま、クロコダイルの肩に手が当たり、厚い肩を掴み込んだ。 ぐいぐいと入ってくる質量に、サンジの指がクロコダイルの肩に食い込んでいくが、それもまた男の性が喜びをもたらすのだろう。 クロコダイルはただただ只管、快楽を隠さず、サンジの中に入ってくる。 「あっ・・・あっ・・・・やだっ・・やめてっっ・・・・・痛いっ!!」 クロコダイルは遠慮せずに、グイグイとサンジを攻めた。 ガクガクと揺れる体は震えを伴っているが、どうすることもできない。 サンジに対して、クロコダイルはこれ以上ないほどの快楽を感じているようで、動きを止めない。 「待ってろ!すぐに良くしてやる。」 クロコダイルは、更に体を押し進めた。 と、サンジの中で何かが弾けた。 「あっ・・・・あああっっ・・・・・あああっっ!!」 悲鳴が突然、嬌声に変わる。 サンジの変化にクロコダイルは気を良くしたのか、グイと体を体を傾けて動きを速めた。 「あっあっあっあっ・・・・。」 どんどんサンジの声音に艶が滲んでいく。 クロコダイルは満足気に、サンジを抱き起こした。自分の体重を受けて、深く貫かれる。 「ひいっっっっ!!」 お互いに快楽が増していく。まるでお互いの体まで溶けあったような快楽に脳髄が痺れて行く。 そのまま、サンジは激しく揺さぶられた。 「あんっ、あっ、ああんんっ・・・。ダメっ・・・やっ・・・。」 ボロボロと涙が止まらない。激しく揺さぶられながら、必死にクロコダイルにしがみ付く。 と、グンと大きく突かれた。 「あああっっっっ!!」 絶叫ともいえる悲鳴を上げて、サンジは気を失った。 |
11.03.11