黄泉返りの島9




まず始めに・・・。

ゾロとくいなが致しております。
が、くいなの体はサンジの体です。でも、ゾロはくいなとわかってて・・・という、複雑な状況です。
ゾロがサンジ(心も含めて)以外の人とHするのは許せない!と言う方はお戻りください。
大丈夫よ!ドンと来い!!という心意気のある方のみ下へお進み下さい。(苦情は受け付けません)

なお、今回読み飛ばしても話はわかるようにします。
























































「ゾロ・・・・・。」

くいなが薄っすらと目を開けると目の前には逞しい男の胸が飛び込んできた。
大きく袈裟懸けに切られた傷痕。

くいなはその傷がどこで付けられたのかは、知らない。その話も聞いていない。
でも、世界の頂点を目指すなら傷はいくらでもつくだろう。どこまででも増えるだろう。
それは男の勲章と言ってもいいだろう傷。
心配する気持ちがないわけではないが、どこか誇らしげに思えた。

その傷にそっと口づけを落とす。

ゾロが苦笑した。

「その傷。お前、好きだな。」

サンジに向けて発した言葉に聞こえた。記憶が混濁しているわけではないだろうに、サンジだと思っているのだろうか。
しかし、くいなは何食わぬ顔で答える。

「あぁ。好きだ。」

これは己の気持ちだ。くいなのゾロへの気持ちだ。
ゾロがそれをどう受け止めているのかはわからないが、くいなは正直に口を開く。

「好きだ。ゾロ・・・。好きだ。」

くいなの言葉に嬉しそうにゾロは笑う。そして、口づける。

ゾロの手はすでに固くなった男の象徴を握りしめている。
初めての経験に、くいなはゾロの腕に縋りつく事で、混乱しそうになる思考をなんとか保とうとする。でなければ、すぐにでも気絶しそうだ。


男同士だからか。それとも愛し合っている者だからか。
なんという快感。


飛びそうになる意識を声を上げる事でなんとか保っている。
が、また声を上げる事で更に感情が昂っていく。

「あ・・・・・あ・・・・・・あぁっ。」

気がつけば、ゾロの指は後ろに差し入れられていた。
顔に降られていた唇は、いつの間にか胸の突起をしゃぶり、舌で転がしている。
入ってくる指の数もすぐに増やされた。

「ひっ!」

初めての感覚に恐怖に陥るが、それもすぐに快楽へと変わる。
それはこの体が知っている快感だからなのか。ゾロを愛しているからだからなのか。
わからないが、苦痛から快感へすぐに変わったことで、くいなはそれをすんなりと受け入れることができた。



そして、ゾロもまた。
こんな性急な愛撫は、彼もまた余裕がないのだろう。

差し入れられた指で後穴をぐちぐちと広げるべく蠢かす。
胸は彼の唾液で濡れそぼり。
背にまわった腕は、体を擦り付けるべく強く抱きしめる。


ゾロの手は遠慮なくくいなを翻弄させる。

「あっ・・・・。あ・・・んっ・・・・・。うう・・・・んんっっ!」


女性としてもまったく知らない世界に、男として関わる。しかも、通常、男としてなら女性を抱くことになるのだが、それとも違う。
いきなりのまったくの未知の世界。
それでも、くいなはゾロとの情交に溺れた。

「・・・・ジ・・・・・。サン・・・・・ジ・・・。サンジッッ!」

彼はやはり、その思い人、この体の人を抱いていると思っているのだろう。
普段、昼間はまったく口にすることのなかった名前を幾度となく口にするのに、くいなは声を上げながらもひっそりと涙を流した。
覚悟はしていたのに、涙は止まらなかった。
ポロリと頬に零れ落ちた雫にゾロが、はっと顔を上げる。

「どうした?」
「・・・・ん・・・。何でもない・・・・。」

穏やかな笑みを見せることで何でもないことを伝える。
「そうか・・・。」とゾロは軽く笑った。

が、一瞬。何かを思い出したように動きを止めた。

「どうした?」

今度はくいなが不思議そうに見上げる番だ。
ゾロは、じっとくいなの顔を見て、何も言わない。
くいなは、ゾロが今抱いているのがくいなだということを思い出して、この体を抱くのを止めるのでは、と怖くなって体を振るわせた。
酷く怯えた顔を見せたせいか、ゾロは穏やかに笑うと、「何でもない。」と先ほどくいなが答えた言葉と同じ言葉を返した。


ほんのちょっとの間だったが、気持ちの昂りが納まってしまったのでは、と怖がるくいなを安心させるように、ゾロはもう一度強くその体を抱きしめた。
ぎゅっと力の入る腕が温かい。
いや、暑いくらいか。
彼の男根は納まるどころか、更に大きくその存在を主張していた。
嬉しくなってくいなはゾロに噛み付かんばかりに深く口づけた。
慣れない仕草をなんとかごまかしながらも、舌を自分から絡めていく。それにゾロが応えてお互いの唾液が混ざり合う。

「ん・・・・んんっ・・・・。はあぁん・・・・。」

一度は後蕾から抜かれてしまった指も、もう一度入れなおされ、更に深く奥に潜り込む。
先ほど以上にお互いを求め合う。

ゾロが一旦体を離すと、今度はゆっくりとその肉体を入れ込んだ。

「あああああっっっ!!!!」

ありえない場所にありえないモノが入ってくる。あまりの苦しさに、顔に苦悶の表情が浮かぶ。油汗も滲み出てきた。
この体が女性だったら、と瞬間考えたが、それはありえないことだと頭を降る。
サンジだからこそ、彼は抱くのだ。サンジの体だからこそ、彼は愛してくれるのだ。

「力を抜け・・・・・。息を吐くんだ・・・。」

入ってくる力とは対照的に優しい言葉を降らせてくれるゾロにくいなは、「大丈夫だ。」と微笑んだ。
その笑みは強がりだとわかったのか、それとも普段からそうしているのか。

ゾロは気を散らせる為に、元の体だったらついていなかったろう肉棒を握り締めて擦りだした。
瞬間、くいなの意識が別に移る。
とたん挿入が楽になったのか、そのチャンスを逃さないとばかりに、ゾロは一気に体を押し進めた。

「あああっっ!!」

ビクンと跳ねる体。
自分はどうなってしまうのか。
恐慌状態に陥りそうになるくいなに、ゾロは汗を流しながら、サラサラと流れる金髪を梳いた。

「大丈夫だ。今すぐ気持ちよくしてやる。」

そう言って首筋を舐めるとさらにぐい、と体を押し付ける。

「ひっ!!」

途端、ありえない快感がくいなの体を駆け巡った。

「あ・・・・あ・・・あああっっ!!」

ビクビクと跳ねる体。
今度は体が快楽に溶けそうになるほどに、気持ちがいい。

「あ・・・・!ゾロっ・・・。ゾロ・・・・ゾロォ!!」

目の前の人の名前を呼ぶしかできないくいなに、ゾロは、動きを止めずに頷く。
その動きは段々とスピードを増して。
パンパンと厭らしい音が耳に届く。
揺さぶられる体と快感に翻弄されるばかりだった。


もう、ダメ・・・。


これがイく、ということなのか、と頭の隅でちらりと思いながら、くいなはその精を放った。

「ゾロォォォ!!」
「くいなっ!」

くいながゾロの名前を呼んだ瞬間、ゾロもまたくいなの名前を呼んだ。
それは空耳ではないかと疑うほどに、くいなの耳には遠く聞こえた。


そのまま、彼女は気絶してしまった。



008.11.23




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