すれ違う思い 重なる思い17
「後の片付けは任した。俺は先に戻る。」 傍にいた幹部の一人に声を掛けると、まだ襲撃途中にも関わらず、船長のゴクは幹部数名を引き連れ、そしてサンジを犯したい連中を引き連れ、そしてサンジと人質の女性を引き連れて自船に戻ってきた。デュナミスも心配そうに後ろから付いてきた。 他の女性は客船に留まったまま、一人だけ連れて来られた。 連れて来られた女性は、ドタドタと響く足音に震えるばかりだ。無理やり引っ張られながら、歩くというより引きずれている。 ゴク海賊団の船は大きい。いくつかのあるうちの船尾の方にある階段を降りた。サンジもまだ足を踏み入れたことのない場所。 最下層には通路の両脇に扉がいくつもあった。囚人となった者が閉じ込められる牢部屋に見えた。そのうちの一つの右側にあった扉を幹部が開け、順番に入る。 部屋に足を踏み入れた途端、ダンとサンジはゴクに突き飛ばされた。 隅に積み上げられているシーツとも呼べない布切れの山に突っ込む。 幸い痛みを感じるような場所ではなかったので、すぐに振り返り、船長であるゴクを睨みつける。 「さぁ、約束だ。彼女を離してもらおうか!」 サンジが布切れの上に座り込んだまま怒鳴る勢いで話す。部屋の角に押しやられた女性はただただ怯えるばかりで、何も話すことができない。彼女の喉元にはまだ剣が突き付けられたままだ。 「今、このお譲ちゃんを手放したら、てめぇ暴れそうだもんなぁ〜。」 呑気で笑いを含んだ声だ。この状況が楽しいのだろう。 「おい。」 ゴクは、すぐ後ろにいた一人に顎で合図をした。先ほどこの部屋の扉を開けた男だ。サンジは会話をしたことはなかったが。ゴクの言うことを容易に悟った男はカツカツと一人、サンジの前に歩み寄る。 座りこんだサンジに合わせて屈むと、懐から何か、小さなビンを取り出した。 片手でグッとサンジの顎を鷲掴みし、コルクでできたビンの蓋を歯でこじ開けると、さっとサンジの口にビンの中にあった液体を流し込んだ。 グッ!!・・・・・ゲホッゲホッガハッ 咄嗟のことに、サンジも対応できず、咳き込む。 「な・・・・何、飲ませやがったっ!・・・ゲホッ」 「なぁに、ちょっと抵抗できないようにな・・・・。気持ちよくなる薬だよ。」 ゴクの言葉にいつサンジを提供してもらえるのかと、後ろに控えている連中の顔が期待に満ちている。 「俺は逃げも隠れもしねぇ。きちんとあいつらの相手をしてやる。それとも何か?あんたも俺を抱きたいのか?」 口端から薬を垂らしながらニヤリと笑うサンジに、ゴクも厭らしい笑みを溢した。 「そりゃあ、いいなぁ〜。だったらお相手願おうか!牙を剥いた子猫ちゃんの・・・。」 と笑って顎を杓ったその時。 ずっと懐に女性を抱えていたロアが突然、女性をサンジの方に突き飛ばした。 「な!」 咄嗟のことにサンジは彼女を受け止める。が、彼女の体だけではなく、何かしら液体のようなものがサンジに降りかかった。 何かと思い、女性を受け止めながら濡れた感触の自らの体を見ると、赤いものが降りかかっている。サンジは茫然となりながら、赤い液体の出所を目で追うと、女性の腹部からサンジに向かって剣が突き出ていた。 「っっ!!」 ザシュッッ 突き出ている剣が引き抜かれ、その場所から新たな血がサンジに降りかかった。 あまりの出来ごとにサンジが絶句する。剣はすぐに抜き取られたが、致命的なのは一目でわかった。 女性は一言もなく倒れる。サンジは、ただ倒れてくる彼女の体を受け止めることしかできない。 「・・・・・!!」 普段から戦いの場に身を置いているからか、これが何を意味しているのか、すぐにわかった。 あまりの出来ごとに怒りが沸騰する。 女性を脇にそっと置き、立ちあがろうとしたその時。 グラリ 膝が崩れ、立ちあがることができなかった。 その様子を見て、ゴクがゲラゲラ笑う。 「悪ぃなぁ、その薬、即効性のモンでねぇ〜。まず足にクるから立てないと思うぜぃ。足が獲物のてめぇにはお誂え向きの薬だ。んで、すぐに男が欲しくて堪んなくなるぜ?」 「っくしょうっっ!!」 サンジは、悪態を吐くことしかできない。誰か助けになる奴は・・・と思い、顔を上げたが誰もサンジの力になるような奴はいない。頼みの綱のデュナミスもまた顔を真っ赤に染めて怒りを現わしているが、やはり、デュナミスの行動も予測してか、幹部が二人掛かりでデュナミスを押さえていた。 怒りで目の前が真っ赤に染まるが、何度立ちあがろうとしてもガクンと床に倒れることしかできない。 思い切り肩を打ちつけた。 「くっ!」 すぐにハァハァと息も上がってくる。だがこれは、疲れや戦闘での興奮とは違う息遣いだ。 サンジはグッと床に付いた掌を握りこむしかなかった。その手も僅かに震えている。 気がつけば、戦闘の時に彼に蹴飛ばされた面々が嫌らしい笑みを浮かべてサンジを囲む。 「船長!こいつ、好きにやっちゃっていいんですよね?」 一人が好色めいた口調でゴクに窺う。 「あぁ、好きに遊んでやれ!ただし、殺すんじゃねぇぞ。こいつは、まだまだ使えるからな。」 船長の言葉を合図に、一斉にサンジに向かって男達が押し寄せてきた。 あっという間に息を引き取った女性の体だけでもきちんと葬りたいと思ったサンジだったが、伸ばした手は、彼女の体にすら届かなかった。握る拳は空を掴むことしかできなかった。ロアが早々に片付けとばかりに彼女の体を持ち去ってしまったのだ。 ただただどうか安らかにと願うしかなかった。 しかし、サンジに彼女を気遣う猶予はない。あっけなく息を引き取った女性に気を取られているうちに。 「あっ!」 サンジの襟元から、一人の男の手がシャツの中に入ってきた。 が、サンジは男だ。女性のように泣き叫ぶことではない、と心の中で呟いた。もちろん、男に抱かれたことはなかったが。 過去、サンジの回りに同じようにサンジを抱きたいと申し出た男は確かに多かった。が、バラティエにいた頃も、そして、ルフィ達と旅をしてきた頃も、いつもそんな男達は蹴り沈めてきた。自分は、男だ、と。そういうことは、レディに言うものだと思ってきた。もちろん、そういう同性にしか欲が湧かない人がいるのも知っているし、そういう人間を否定するつもりもない。海賊にはそういった人種が多いのも知っている。ただ、自分は、そこには関わらないと決めていたのだ。 しかし、それがゾロの告白によって崩れそうになった。 ゾロには、サンジの方も好意を持った。剣士としての誇り、強さ、頂点を目指す夢。仲間としての態度、信頼、いろんな意味を含めて人間として彼に惹かれた。それは、ルフィも同等だが、ルフィとはまた違う意味でも、ゾロのことを考えるようになった。 ゾロならきっとサンジのことを男として認めた上で、サンジを求めたのではないだろうか。女性の代わりではない。そう信じて疑わない。それでも、ゾロと一線を越えた関係になる決心はつかなかった。 彼には、剣士として突き進んで欲しかったのだ。サンジと仲良く恋愛ごっこをしている場合ではないだろう。”ごっこ”というのではなく、本気であったのには違いないが。 しかし、こんなことになるんだったら、彼の気持ちを受け入れて一度くらい抱き合ってもよかったのではないか。 そんなことさえ頭に過った。 いや、これは自分の失態だ。自分の落ち度でこうなったのだ。 ゾロは関係ねぇ。 そんなことを考えることすら薬の所為だろうか、と考えてしまう。 頭を振ると改めて回りを見上げた。 すでに室内には、サンジとサンジを甚振ろうと目をギラギラさせている連中数人しかいなかった。 船長のゴクも、女性を抱きあげたロアも。そして、幹部に押さえられていたデュナミスでさえ室内にいなかった。部屋の外へ連れ出されたのだろう。 デュナミスに悪いことしちまったな・・・。 ポツリとそんなことを思い浮かべる。 彼女を目の前で犯され殺された男。 今、男であるとはいえ、好意を持った自分に対して同じようなことが行われようとしているのだ。 いや、大丈夫だ。俺はレディじゃねぇ。 もう一度、心の中で呟いた。 「何余所事考えてんだぁ?」 「クッ・・・。」 一人の男がサンジの髪を掴み上げ、顔を上げさせる。涎を垂らさんとばかりに欲情めいた顔を隠しもしなかった。 「おいおい、綺麗な顔が台無しじゃねぇか!その顔を俺達のしろ〜いザーメンで綺麗にしてやるぜ?」 ガハハハハと高笑いが起きた。 「船長が薬を飲ませたんだ。すぐに欲しくなんじゃねぇか?」 「そうだな・・・。さっさと楽しまなきゃなぁ!」 どの男も我先に、とサンジの服をはぎ取ろうと手を伸ばした。 男どもの言うことに間違いはなく、サンジの体は意思とは反対に熱くなっていく。 「あっ。」 髪を掴まれ仰け反った首筋に舌が滑り込んだ。ゾロリとした感触がサンジに伝わる。が、それは本来なら嫌悪しか感じないはずなのだが、今は違った。 熱く熱を持っていて快感を呼び寄せる。 別の男は、サンジの胸元をまさぐった。 また、別の男は直接、サンジの下半身へと手を伸ばす。 「おい、見ろよ!こいつ、何もしてねぇのに、こんなんだぜ?」 下半身に手を入れた男が、歓喜の声で仲間達に告げる。 「こりゃあすげぇ!」 「効果絶大だな!」 「やりがいがあんな、すげぇ!」 あっけなく露わにされた下半身に、誰もが息を呑んだ。 室内にいる誰もが喜ぶほど、サンジの砲身はすでに固くそそり起っていた。透明な液も先端から滲み出ている。 誰かがピンとサンジのペニスを弾くと、それだけで快感が体に走るのか、声が上がる。 「はあっっ!」 しかし、サンジとしては声を上げるのは屈辱だ。声を上げた途端、唇を噛みしめる。 「おいおい、この嬢ちゃん。まだ意識はしっかりとしているようだぜ?」 「だったら、俺達で飛んじゃうくらい、良くしてやんねぇとなぁ〜。」 「声を出したくねぇなら、こうしねぇとな!」 誰かが、サンジの顎を掴んで無理やり口を開かせたと思ったら、息をする間もなく、男の欲望が突っ込まれた。 「うっ!」 「よく口に突っ込むよなぁ、お前。噛み切られたらどうすんだよ!」 「噛むなよぉ。歯を立てたらどうなるか、わかってんだろうなぁ〜。」 口に突っ込まれたのを切欠に、サンジの中の欲望も頭を持ち上げ出した。 男達の会話はまだしっかりとサンジの耳に届くが、噛み切るようなほどの理性が少しずつ飛んでいくのが自分でも判った。 なんて効きのいい薬。いや、そうではないのかもしれない。もし、女性が生きていたのなら、彼女を守るためにしっかりと我を保ったのだろうが、あっけなく女性が殺されてしまったがいけなかったのか、サンジの中でなにかがプツンと切れた。 内心ではしたくないのに、体が欲望を押さえることができなかった。無意識にサンジは口の中にある太いモノに舌を這わした。 「うおっ。いいぜぇ?嬢ちゃんよぉ〜。」 「おい、大丈夫かよ?噛みつかれねぇか?」 「大丈夫だよ。もうこいつ、欲しくて堪んねぇみたいだぜ?」 サンジの口に己を出し入れしだした男の言葉に、他の男達ももう我慢が利かないとばかりに動きが急いた。 ある男は、サンジの胸元をまさぐり、またある男ははやく突っ込みたく後ろから蕾に指を這わした。 「〜〜〜〜っっ。」 声にならない嬌声を喉元で上げる。 と、サンジの口で激しく抽挿をしていた棒が一気に奥へ突っ込まれ、喉の中に温かいものが注きこまれた。 ズルリと口から肉棒を出されて、糸を引いてサンジの口から白濁したものが垂れる。 それを見て、他の男達もゴクリを喉を鳴らした。 ゴホッゴホッとサンジは咳き込む。 が、休む間もなくすぐさま、別の男がまたもやサンジの口に別の肉棒を突っ込んだ。 「うっ!!」 次の男もまた、遠慮なくいきなり激しいピストン運動を始めた。 「うおおっっ!!こいつはいいぜぇ。」 歓喜の声を上げて、サンジの顔の前で腰を前後させる。あまりの勢いにサンジの頭も激しく揺す振られた。 グイグイ押し込まれる雄に、ガクガク揺れる己の顔。 しかし、サンジの方ももはや嫌悪を感じなくなってきていた。 揺れる前髪の間から、見上げる瞳がトロンとしている。もはや、何も考えられなくなって、快楽を追うことしかできなくなってきているのが誰の目にも明らかだった。 「いいぜぇ〜、こいつはいいっ!」 次の男もあっけなくイった。が、今度は、口の中ではなく、サンジの顔に目掛けて射精する。 白く濁った汁がサンジの顔に飛び散る。 が、サンジはそれを避けようとも、目を瞑ろうともせず、笑みさえ浮かべて受け止めた。 別の男がサンジの体を床に引き倒す。 今までサンジを座らせた状態で口をメインに犯していたため、尻に突っ込みたくて仕方なかったのが、上手く出来ず、イライラしていたのを漸くという感じで自分のズボンを下げた。 まだあまり解れていないのを気にせず、一気に蕾に突っ込んだ。 「ああああっっっ!!」 嬌声というよりも悲鳴に近いサンジの声に、誰もがまた歓喜した。 切れただろうが気にせず、男はサンジの中へと捩じり込んだ。多少キツイが、切れた場所から血が潤滑材になり、すぐにスムーズに奥へ入った。 「うおっ!!こいついいぜ!締め付け具合が最高だ!!」 「あああっっ。」 初めてなのに、サンジは嬌声を上げる。 「薬だけじゃねぇ、こいつ才能あるぜ、きっと。」 「あ・・・あぁ・・・ああああっっ!」 2・3回揺さぶられただけでサンジは男達の前で射精してしまった。 「こいつ、突っ込まれただけでイっちまったぜ?やっぱ、才能あるんじゃねぇのか?」 下卑た笑いが部屋中を包み込む。しかし、サンジもはや正気を飛ばしていて、半ば朦朧としていた。 しかし、体はしっかりと反応していて、一度イったのに、固く上を向いている熱は冷めることはない。 サンジを犯している男は、ピストン運動を早めると、己も射精した。サンジの奥にたくさん注ぎ込まれる。 と、今度は四つん這いにさせられ、一度に前と後ろから攻められた。 苦しいほどの攻めだろうに、サンジももはや快感を追うことしかできない。 前後から揺さぶられ、声は上げられなかったが、それでも揺れる腰で快感を訴えた。 「いいぜぇ、いいぜぇ、最高だ!」 「んっ・・・・ふっ・・・・ううんっ・・・・んふぅ・・・。」 「こいつはいいっ。気持ちいいぜぇぇ!」 塞がれた口から息が高揚感を伝える。 何度も何度も、サンジは頂点を昇りつめた。 |
09.12.24
今年最後の更新がこれとは・・・・。トホホ・・・・・。