すれ違う思い 重なる思い6
太陽が高く、空は青い。清々しい一日だ。 クゥクゥと海鳥の鳴き声が耳に届いた。番なのか、二羽仲良く飛んでいった。 ゾロは組んだ手を枕に横になり、空を見上げていた。 陽射しが強くて眩しく、眼も肌もジリジリと痛いが、気にせずぼうっと空を見上げる。 あれから何日経ったのだろうか、わからないが。 この島のログは明日、溜まる。 暑い中でも眠気が脳を襲い、素直にそれに従い目を瞑る。 しかし、ヒールのコツコツという足音が頭に響き、眠気を遠のける。芝生の上で寝転んでいるここでは足音は響かないはずだから、上部にでもいるのだろう。 耳を澄ませ、あぁ、足音が変わったな、と思ったら暑い陽射しが絶たれた。誰かが頭元に立っているのが、その影からも気配からもわかった。 あぁ、この気配はナミだ。 「ゾロ・・・・・・。明日。出航だから・・・。」 「だから、何だ?」 瞑っていた目を片方、開けた。 上から覗くナミの表情は、逆光でよくわからないが、声音からしても笑顔でないことだけは確かだ。 「だから・・・・・もう覚悟を決めて欲しいの。」 「そんなもの・・・・とっくに諦めた。」 拗ねるような口調になるのは仕方がない事か。 諦めたという言葉とは裏腹に、心の中ではまだ怒りの火がチロチロと燻っている。 その証拠に、ルフィとはあれからもなんだかギクシャクしたやり取りしか出来ない。 サンジが船を降りたと聞いた時、ゾロはすぐさま彼を捜しに街に向かった。アザレア島にはいくつかの街が点在していたが、いるとしたら一番大きく、そしてここ数日何度も足を運んだ街に違いないと検討をつける。 ゾロが船を飛び出したのが夜中だったが、迷子のなせる技か、上手い具合にサンジを捜すのに最初に辿り着いたのは、街の歓楽街だった。ちょうどいい、とゾロは一軒一軒、店を回った。それこそ、酒場だけでなく、風俗店に至るまで・・・。 酒場では、店を覗けばすぐいないのはわかった。ため息をついて、すぐ隣の店へ・・・とありとあらゆる酒場を覗いた。 買春宿では、呼び込みに呼び止められたのを丁度いいという具合に「男を捜している」と伝えると、商売柄だからだろう、誰もが口を揃えて「知らない」と言う。予想はついたがこれでは見つからないとばかりに刀で脅し、一部屋一部屋扉を開けようとする。あまりの様相に店主が引き攣りながらも「本当に来ていない」と答えた。苛立ちながらも表情から見て嘘はついていないとわかった。 そんなやりとりを何度も何度もこなして、街の中を虱潰しに捜した。 気が付けば、朝日が昇るのを大通りの片隅で見つける。 思わず立ち止まり、早朝の漁に出かける船がいくつも波間を進んでいたのを呆然と見つめた。朝日が眩しくて手を翳して立ち尽くす。 気が付けば、波止場に辿り着いていた。 ゾロは、ボンヤリした頭で海を見つめる。波飛沫で泡立つ海が朝日でオレンジに染まり、夕焼けとはまた別の美しさがあった。 青く、しかし今は赤く美しい海。 どこか遠くにあるだろう奇跡の海は、目の前に存在する海を凌駕するほどに美しいだろうか。 その奇跡の海を別の方法で探すというサンジ。一体、何処へ行ったのだろう。 夜の時間は終わった。街は、これからまた別の、昼の賑やかさをつれてくるだろう。今は、ただ漁船や市場など、ごくごく一部の人間が動くのみ。 一旦船に戻ろう。そして、改めて出直そう。 そう心の内で呟いて、ポツポツと歩き出した。方向は正確かはわからないが、自分の戻るべき船へと向かう。 時々すれ違うのは、商店街やレストランなどの仲買人か。誰もが市場へ向かっているのがわかった。 と。 ふと耳に届いた言葉にゾロは思わず振り返る。 「でも、いい腕のコックだったのに・・・。あっさりと鞍替えしやがって!!」 「そういって、ちょっとはホッとしてるんじゃないのか?あの腕のいいコックが入ってたら、お前さん、お払い箱だな?」 「何言ってんですか!!俺があんな若造に負けるわけないじゃないですか!!そもそも人手が足りないからって話で・・・・・!」 市場に向かう二人組みのやりとりに引っ掛かった。 コック? どうしてもその言葉に反応してしまう。 が、それが単なる言葉だけの問題ではなく、二人組みの話の内容からサンジのことだとすぐにわかった。もっともそれはゾロの感に拠るところが多いのだが。 慌てて、足早にすれ違った二人を追いかける。 何も知らず市場へ向かう二人組みの男に、ゾロは腕を伸ばした。突然のことに、ガシリと肩を掴まれた背の低い方の男が仰け反りそうになる。しかし、倒れるのをなんとか踏みとどまり、「なんだてめぇ。」と突然肩を掴んだ男を睨みつけた。しかし、目の前にした男の人相に思わず後退りする。隣にいた若く恰幅のいい男の方が、相手の様相がわかていないのだろう。ただただ怒りに任せて怒鳴り散らす。 「何だ、てめぇは!?」 「ちょっと聞きてぇことがある。」 「あ"ぁ?」 ギロリと威勢よく睨みつける若い方が、ゾロの様相に今更ながらに気づき、さっと表情が青くなるが、相手がいかなる者だろうが、非があるのは向こうだ。声を荒げて掴みかからんとすると、意外にも人相の悪い男からは、切羽詰まった様子で、だがしかしケンカでも仕掛けるというわけではなく聞きたいことがある、と真剣な表情で訴えてきた。 「今、お前らが話していたコックってのは、どこにいる?」 自分達の会話に繋がる質問をいきなり知らない男がしてきたら誰だって驚くだろう。「は?」と声を揃えて相手を見つめてしまった。 「だから、今、お前らが話していたコックのことだ!お前らの店に来たんだろう?あいつが!どこに行った。」 「あいつ・・・・・って。」 突然現れて責められる質問にあっけに取られるが、応えなければいつまでも離さないとばかりに詰め寄る男は、やはり凶悪な人相で。 何をどう応えていいのかわからないままに、二人して顔を見合わせて相手にわからないように体を震わせた。下手な答えをすれば腰に下げた刀で切られると勝手な想像が膨れ上がる。 お互いに横目で目配せて、「お前がしゃべれよ。」と押し付けあっている。 モゴモゴと口を動かすだけの二人に、ゾロはただでさえ低い沸点がさらに下がった。 「早く言わねぇか・・・。」 ギロリと睨みつける瞳は凶悪犯に見えた。 あまりの形相に若い方がヒィィィと声を震わせた。 「あ〜〜〜あ〜〜〜〜、そのコックって昨日来た、流しのコックのことかぁぁぁ!??」 流しのコックとは・・・。ゾロは首を捻った。 「その流しのコックってのは、金髪で眉毛が巻いてたヤツだろう?」 「はぁぁぃぃぃ!!そっ・・・その通りだっ!!」 一瞬、違う人物かと思ったが、どうやら間違ってはいなかったらしい。だが、流しのコックと名乗ったのか。 それはそうかもしれない。船を降りたとはいえ、海賊だと言えば雇ってはもらえないだろう。仕方が無い。 「で?そいつは、どうしたんだ?てめぇらの店にはもういないのか?」 顎に手を当てて、最初の凄みは多少押さえたものの、まだトーンを下げて続きを聞く。先ほどの二人のやり取りからすれば、サンジがその店には入らなかったように聞こえたが、何かしら消息がわかるかもしれない。 「それが・・・・・・たまたまうちの店に食事に来ていた客に着いて行っちまったんだ。」 「何だ、そりゃあ?てめぇらの店で働こうとしたんじゃないのか?」 その店に仕事を見つけに来ただろうに、どうしてそこに来た客に着いて行ってしまったのか・・・。 「その・・・・・・それが。・・・・・その客ってのが、この島に来ていた客船のコックだったんですよ・・・。」 恐々ともう一人の男が今度は応えだした。 「最近、うちの店もコックを一人探していたから丁度いい、とまずは料理の腕前を見せてもらってたんだが・・・・。それが、そのテストの最中に客船のコックだという男が割り込んできて・・・。流しをしているっていうその金髪の兄さんの料理を食べて、一目で気に入ったとかで、横取りされたんだ・・・。その金髪の兄さんも、海に出られるのならって、結局、その船のコックに着いて行っちまった・・・。折角うちの店も腕のいいコックが来たって喜んでたところだったが・・・。」 「俺ぁ、あんなヤツには負けねぇ!!」 昨日のことを思い出したのか、若い男は隣の男に怒り出した。 そんな店の内情など関係ない。ゾロはふん、と鼻を鳴らす。 「で、結局、その船ってのは、どこにあるんだ?」 「あぁ?そのコック達の船か?その日のうちに出航だ、ってたから、もういねぇんじゃねぇのか?」 「なんだと!?」 若い男のあんまりの答えに思わず、男の胸倉を掴んで怒鳴りつけた。若い男が「ヒィィィ」と隣で再度震えだす。 「そりゃあ、どこの港だ?なんていう船だ!?」 唾が掛かるほどに顔を近づけて迫るゾロに、胸倉をつかまれて足が宙に浮いたまま男は震える声で答えた。 「ぁ・・・・・・あぁ、船の名前はわからねぇよ・・・・忘れちまった・・・・。」 「忘れただろとぉ!」 掴んだ手に更に力が入って、宙に浮いた男は首がしまり、ぐぅと声を漏らした。 慌てて、若い男の方があわあわしながら答えた。 「ウェイ・・・・そうだ!・・・・たしか、ニューウェイ号とか言ってた!本当だ。すぐそこの港に留まっていたって言ってたから、港に行きゃあ行き先がわかるんじゃないのか!?」 仲間を降ろせと縋りつく若い男に、ゾロは加減を忘れてしまったことに「あぁ、悪い」と素直に詫びた。 「悪かったな・・・・つい、力が入っちまった・・・。」 さっきまで凶悪に顔を歪めた男は、興奮が収まりきらないまでも相手を殺しかねない勢いになってしまったことに申し訳なさを感じたらしく、頭をボリボリと掻いた。 よくよく見れば目の前の男は強面だが、素直に頭を下げるあたり悪人ではないとコック二人にも判断できた。 「その兄さんは、あんたの何なんだ?」 それでもまだ多少の怖さが残っているのか、背の低い方の男は絞められた胸元を直しながら恐る恐る聞いた。 答える義理はないのだが、自分だけいろいろと聞いておいてさっさと消えてしまうのも失礼かと思い、ゾロは素直に答えた。 「船の仲間だ・・・・。ちょっといろいろあって勝手に出て行っちまった。だがら、捜して連れ戻そうとしてるところだ・・・。」 「そうか・・・・。」 男はコックの中でも、ベテランの類になるのだろう。年齢にもかなり上と見られる。その男は力関係においては、ごくごく一般人の類だが、コックとしてはそれなりに実力のあるだろうことが、その容姿からも想像できた。 背の低い男が一旦思案顔になり、ゾロを見上げた。 「彼を連れ戻そうとしているのなら、今は止めた方がいい・・・。」 男の言葉に、一旦は消え去ったはずの皺が再度寄った。 それでも、男は震える声で伝えた。 「お前さん達の船で一体何があったかはわからないが・・・・・あの金髪の男は何か悩みを抱えている様子だったよ。」 「悩んで・・・?あいつが何か言ってたのか?」 「いや・・・・・ただ料理にそれが出ていた。技術的にはかなりの腕前で、それを上手く隠してはいたがね。だから、何も知らない客に出す分には問題ない程度だが・・・。それでも、わかる人間にはわかるよ・・・。お前さん達もきっと毎日、彼の料理を食べていたのだったらきっとわかったと思うよ。」 「・・・・・・・・。」 「どういう経緯で船を降りる決心をしたか知らないが、今は彼をそっとしておいたらどうだ?」 男の言葉に思わず睨みつけた。「ヒッ」と一瞬、体を竦めるが、今吐いた言葉を取り消すつもりはないらしい。 ゾロは負けじと男に言葉を返した。 「でも、お前らだって、そんな状態のあいつを雇おうとしたんだろうが・・・。」 「そりゃあ、腕前だけは確かなのはわかったからな・・・。心の問題さえ解決しりゃあ、すごい味だって出せるのもわかった。そんな男をみすみす逃す手はないじゃないか・・。」 「・・・・・・。」 「それに、うちの店に来て、心が安定したかもしれんだろう?結局、逃げられちまったが・・・。彼は海で育ったんだろうな。海の匂いがした。彼にはきっと海が一番の安定剤だったかもしれんな。」 言うだけ言うと、ベテランコックらしい男は若い男の腕を掴んで、「行くぞ」と目的地だろう市場を目指して歩き出した。 ゾロはただそれを無言で見送ることしかできなかった。 「何だったんだ、あの男は・・・・。」 若い男の方が、首を捻ってチラリを後に視線をやった。 背の低い男は、「さぁな。」と言葉を濁して遅れた時間を取り戻すべく歩調を速める。 「何があったか知らんが・・・・でも、さっきの男が関係しているような気がする。俺の勘だがな・・・。ま、結局、昨日のコックには逃げられたんだ。残念だった・・・で終わりだよ、俺達には。」 「確かに、俺には昨日のコックが料理に迷いがあったなんて・・・・今、言われるまで気が付かなかった。ただ、美味いとしか・・・。」 「だからこそ、プロでもあるんだ。お前もまだまだだな・・・。」 「俺・・・・もっと精進します。」 「そうだな・・・。」 二人のコックは苦笑して市場へ入った。 その後ゾロは、そのまま港に行って船にサンジが乗ったことだけはつき止めたが、行き先はわからなかった。 客船だからすぐに行き先がわかるかと思ったのだが、意外にもそれは行き先不明の船だと言う。 ラチが明かないので、正確な情報を手に入れようとナミを連れて再度港を訪れた。 結局、わかったことはどうすることもできないことだった。 「だからよ、特別な客船なんだって。金持ち様の娯楽用の船には違いねぇが、主旨が普通のとは違う。」 「どう違うのよ?」 港に散乱したゴミを片付けながら港の管理組合の人間が告げる。ナミは意味がわからない、と食い下がった。ゾロは隣で、ただただ眉間に皺を寄せるばかりだ。 「金持ちで腕に自慢がある人間の好奇心を満たす船なんだよ、そのニューウェイ号ってのは・・・。」 「好奇心を満たすのに何で目的地がわからないの?」 「くじで行き先を決めるんだからな。」 「クジで・・・って、どういうことよ!?」 ナミまでもがイライラを募らせていく。声が段々と荒くなってきた。 ゴミ袋を提げた男は、ふぅとため息を吐いて、下に向けていた顔を二人に向けた。きちんと説明してくれるまで離れないとばかりにくっついてくる二人に根を上げたようだ。 きちんと説明するべく、すぐ傍にあったベンチに向かって歩き、座った。港の中で公園化していて海が綺麗に眺められる場所だった。普段だったら観光客や散歩のいいスポットなのだろうが、運良く、今は誰もいない。 上空には、海鳥がクゥクゥと鳴いている。陽射しも気持ちいい。 ナミもゾロも苛立ちを押さえながら管理組合の男に倣って、ベンチに並んで座った。 「そのニューウェイ号ってのはな、金持ち様の腕試し的な要素をふんだんに取り入れた客船でな・・・。船自体は一般の客船と大して変わらないんだが、なんせ行き先がわからない。この島のように街のある島につけばいいが、場合によっちゃあ無人島や下手をすれば海賊の根城に行っちまうかもしれない船なんだ。」 「何、その船・・・。」 ナミが怪訝な顔を向ける。 「だからよ、船の行き先をくじ引きで決めるんだ。名前を消したエターナルポースをいくつも用意して、それをくじにして客に引かせる。名前が消されているから辿り着くまでそれがどんな島かもわかりゃしねぇ。行ってみてからのお楽しみってやつよ。」 「くじ引きって・・・そういうこと・・・。」 バカらしいとナミは肩を竦めた。 が、同時にガバリと隣の男の腕を掴む。 「それって、じゃあ、その船がどこへ向かったのかわからない!ってこと?」 「だからそう言ってんだろうが、お嬢ちゃん。」 何の苦もなしに淡々と答える男に、ナミはガクリと座り込んだ。 ゾロは腕組みをしたまま静かに座って話を聞いている。 「噂には聞いていたが、俺もその船が存在するなんて初めて知ったんだよ。最初から目的地がわかってるわけじゃないから、事前にその客船が来るって知らせもないしな。ある意味、ログポースを辿ってくる船と似たようなもんよ。だからこそ、腕に自慢のある連中が沢山乗っているがな。」 「・・・・・。」 「あんた達の捜している兄ちゃんなら、俺も乗ったのを見たよ。優男だったじゃねぇか。あれじゃあ、一緒に船旅できるかどうかわからないが、まぁ、回りの人間が助けてくれるだろう?客の中には自分の腕に自信はないが冒険をしたいって輩もいるからな。そういった連中は金で腕っ節のある連中を雇って護衛にしてる。ま、何にしても海賊に襲われようとその船なら問題ねぇよ。」 サンジは見た目ほどに弱くないことはわかっている。たぶんその船の、腕っ節に自信があるというどんな男よりも強いだろうことも想像できた。実際、自分達も海賊だし。 しかし、強さとか弱さが問題ではない。行き先がわからないのが問題なのだ。 「行き先は、調べようもないのね・・・。」 「あぁ、電々虫を使ったとて、船長も「行き先はわからねぇ。」って答えるだけだ。昨日、出航しちまったから結構進んでいるだろうし。自分達がどの辺にいるのかさえわからないだろうな。」 ナミが肩を落とした。 大きくため息を吐いて、「おじさん、ありがとう。」と礼を言うだけしかできなかった。 ゾロは目を瞑っているばかりだ。 漸く納得できたか、と管理局の男は早々にベンチを立つと仕事を再開すべく足早にその場を去った。 空は青く快晴だ。 いつもならばこんな天気の時は気持ちよく背伸びでもしたいところだが、反して気分は最悪に落ち込むばかりだ。 「ナミ、船に戻ろう・・・。コックが島を出ちまって行き先がわからねぇんじゃ、どうしようもねぇ。」 「ゾロ・・・・・。」 ゆっくりと立ち上がったゾロにナミも釣られて立ち上がった。 「ねぇ、ゾロ。チョッパーに匂いを嗅いでもらって追いかけたら・・・・。」 「そりゃあ、無理だろう・・・。」 さっさと歩き始めるゾロにナミは慌てて追いかける。 「どうして?チョッパーならやってくれるわよ。」 「船長が認めねぇだろう。」 「・・・・・・ルフィ・・・。」 ナミが船長の名前を呟いた。 彼はサンジの下船を認めたのだ。追いかけることは許されないだろう。 二人は大人しく船に帰ることしかできなかった。 仲間達には、サンジはこの島を出て行って追いかけることはできないことを正直に伝えた。 それで、全てが終わったのだ。 アザレア島でサンジを連れ戻すことはできなかった。が、新しいコックを見つけることもできないまま、麦わら海賊団は島を後にして新たな冒険に向けて出航した。 |
09.05.21
今頃気づいたけど、なんだかワンパターンな話が多いなぁ・・・。