過去と今と未来と8
パタンとドアを閉めると、ビンを片手にゾロは今度はソファに座った。 対象的にサンジはベッドへと腰掛ける。 レストランで貰った煙草に手を掛け、封を切った。 軽く煙を吐き出すと落ち着いたのか、ゆっくりと煙を堪能している。 が、煙以外にもため息も吐いていて、その意図がわからずに先ほどのことを思い出して疲れが出たのだろうとゾロは勝手に分析した。 サンジはゾロを横目で見ると、ふっと立ち上がった。 ソファに座ったゾロの前に来て、つい、とゾロの手を取った。 何だ? と、思う間もなく、ちゅっ、と手の甲にキスをされた。 いきなり何故?とゾロは不思議に思う。先ほどの続きは必要ないだろうに。 今度はゾロの目の前に跪く。 と、いきなりゾロのズボンのファスナーを下ろしだした。 「いっ!!なっ・・・。・・・・何するんだっ、アホコック!!」 これまた先ほどの衝撃に負けないほどの出来事だ。 「御褒美だよ、クソ剣士。よくあそこで引かずに合わせてくれたよな。だから・・・、処理した方がいいだろうが、これ!」 これ、とそれを指すサンジの顎から視線を移した。 「げっ!!」 ゾロは自分の状態に驚いた。まさかこんなになっているとは思いもしなかったのだ。 「自分で気が付かなかったか?まったくアホだな、てめぇは・・・。意外に純情少年だったんだな、てめぇ。こんなになっちまって。・・・・まぁ、いい。そこで大人しくしておけ、収めてやっから。」 「収めてって、どうする気だ?」 「あぁん、わかるだろうが、男なら・・・・。フェラだよ、フェラ!」 そう言うとそのまま止まっていた手を再開し、思い切りファスナーを全部下ろしてしまった。 ゾロはあわてて止めようとした。 「ちょっと待て、待て!お前・・・フェラって・・・。そんなこと・・・っっ!」 「わかるだろが、言葉の意味ぐらい・・・。昔、ロイと付き合ってたって言ったろ?だからやったことあるから大丈夫だ。久しぶりってぇちゃあ久しぶりだがよ〜。噛み付きゃしねぇよ。」 噛み付くって、そういう事が言いたいのではない。とゾロは思ったがもう抵抗することもできなかった。 サンジが口内にゾロのそれを含んだからだ。 今日一番の衝撃かもしれない。先ほどのキスなど序の口だと思った。 確かに過去、男であるロイと付き合っていたのだから、そういうこともしたのかもしれないと思ったが、あくまで”かもしれない”程度にしか考えていなかった。いや、考えようとしなかったという言い方が正しいのかもしれない。なんせロイと付き合っていたという時期を考えると、今のJJよりはるか年が下の、まだ子どもと言っていい年齢だったのだから。 それでもサンジのその行為は、確かに知っているものが出来る行為だった。 気持ちいい。 と純粋に思ってしまう。 いや、考えるのはそこではないだろう、と再度頭を振る。 何故、勃っていたのだろうか?しかもサンジに言われるまで自分で気が付かないほどに。 あれか?あのキスで勃ってしまったのか? まるで好きな相手に初めてされたキスに反応してしまったかのようだ。最初からあんな濃厚なキスは普通しないが。 こんなことは今までなかった。自分の過去を考えてもないことだった。 もともと剣の道を進むのだからと、あえて女性と付き合うことはなかったし、剣の頂点を目指す為に旅に出て、行きずりの女性となんとなしに関係を持つことも商売女と寝ることもあったが、恋から生まれた行為ではないため、キスをすることはもっぱらなかった。しても、キスという行為にそこまで自分の息子が反応することもなかったのだ。 それなのに、どういうことだ? と、考えていたら体がビクッと揺れた。 先端を舌で突付かれる。あまりの気持ちよさについ出そうになった。いくら何でもまだ早いだろうと堪える。 今度は裏筋を舐められた。身体が震えるほど気持ちがいい。 このまま・・・。 このまま、こいつを抱いてみたい。 つい、そう思ってしまった。 目下で蠢く金色の髪をつい、グイと押し上げてしまった。 急に頭を押しやられペロンと口がゾロから外れてしまった。その勢いでピッとガマン汁が飛び、顔に付いてしまう。 頬は赤く染まり眼は半分トロンとして、いかにもエロイ表情が頬に付いた液でさらに厭らしさを演出していた。しかも、何を思ったのか目を細めて笑みを浮かべた様は艶を感じさせた。 「俺に出されるのが嫌なのか?それとも俺に突っ込みたくなったか?」 ペロリと下唇を舐め、上目遣いに見上げてくる。 いつもの不敵なコックからは到底見られない表情にゾロはゴクリと喉が鳴った。 ゾロの喉が上下するのを見て、さらにサンジは目を細めて笑った。 「突っ込みたきゃいいぜ。突っ込めよ。なんなら、俺が上になってやるからよ・・。あ〜〜、でも久しぶりだからな、ゆっくりな・・・。」 最後は甘えるような声音で耳元で囁く。 もう止められないとゾロは思った。 何でこんなヤツに欲情するのか。いつものケンカばかりして、生意気で、それでも強さは半端ではない男のコックに。 男の色香というのとはまたちょっと違うと思った。ただ単に男の色気だけなら、どちらかといえば女性が喜んで寄ってくるのだろうが、サンジの場合は同性である男性をも魅了する。 しいていえば中性的な色香とでもいうのか。上手く言葉では言い表せないが、そんなものだろうかとゾロは思う。 何にしても理由はわからないが、自分はこの目の前にいる仲間のコックに欲情していることだけは確かだった。 サンジの言葉にゾロは、つ、と立ち上がった。 それを見てクスリと笑うサンジだったが気にせず、サンジの手をとり自分の側のベッドへと歩いた。 少し強く押し倒すと抵抗もせずにドサリと倒れた。ゾロも一緒にそのままベッドへと倒れこむ。 上下に重なったままサンジは先ほどの続きとばかりにゾロのペニスに手を伸ばした。 それに合わせて今度はゾロも手を動かした。 されるがままではなく、自分からも、とサンジのシャツの釦に手を掛ける。 一つずつの作業のじれったさに苛立ちを感じるがそれでもなんとか釦を全て外すと少し強くシャツを肩から下ろした。すでにベッドに寝ている状態なので上手く脱げないのだが、そのまま見え隠れする様に全裸以上の厭らしさを感じた。 サンジのゾロを擦る手もそのままに今度はゾロもサンジものをと素早くベルトを外し、ファスナーを下げる。少し慌てていたのか、しっかりと最後までファスナーが下がっていなかったが、元々細い腰回りのためか、ゾロの手はすんなり入ってしまった。すぐに目的のものに辿り着くとやはり大きく膨らんでいて、それにゾロは満足する。自分だけ勃起しているのはなんとなく負けた気がしてならないからだ。 と、同時にサンジもゾロに欲情していると思えてゾロはうれしかった。お互いに欲情しているのだ。 愛情があるのか、はたまた単なる男の生理的欲求なのかはわからないが、兎に角相手に対して同等の欲があるのがうれしかった。 お互いにお互いのものを擦りあう形で動かしている手に快感を感じ、自然腰まで蠢いてしまう。 「ゾロ、・・・このまま一度出すか?」 サンジがふと、聞いてきた。 しかし、ゾロとしては手でよりもサンジの中で出したいと痛切に思った。 「いや・・・。てめぇに出してぇ・・・・。」 必至の形相をしているのだろうか。 ゾロの顔を見たサンジは再度軽く笑うとペロリとゾロの口唇を舐めた。 「いいぜ・・・。来いよ。」 そう言うと自ら足を動かした。 一気に全てを脱ぎ去ると軽く足を開く。久しぶりとは本人が言っていたがそれでも、慣れた仕草に目眩がしそうだった。 「この宿は連れ込みじゃねぇから、クリームなんて気のきいたのないからな。それに久しぶりだから慣らすまでちょっと待ってろ。その間、口でやってやるから・・・。」 「いや、俺が慣らしてやる。」 グイッといきなり蕾に手を伸ばすゾロにサンジは慌てたがそんなことにはお構いなしだった。 「ちょ・・・っっ!待てっって・・・。ゾロッッ!!」 「いい、てめぇは感じとけ!男は初めてだが、話にゃ聞いてる。なんとかなるだろう。」 半ば強引とも思われるセリフだったが、言葉と裏腹にゾロの仕草はいたって優しいものだった。 唾液を流しながら人差し指をゆっくりと揉み解すように蕾にあてた。 「ううんっ・・・。んぁっ・・・。」 ゾロとしては男の後孔を触るのは初めてなのに、その慣れない行為にすら声を上げて感じているサンジにゾロも一緒になって気分が高揚していく。 グチグチと弄っている指はそのまま逆にその孔に食われている感触がした。 始めは人差し指から入って、すでに3本目にまで進んでいる指はさらに猥らなサンジを作り出していた。 男を知っているといっても、本人の話ではずっとご無沙汰していると言った。しかし、この慣れた様はなんだろう、とゾロは思う。天性のものだろうか。 「ああぁんんぅ・・・。・・・・ああっっ!!」 何故かサンジの過去に多少の苛立ちを感じらながらも、それでも目の前で跳ねる身体に歓喜も同時に沸きあがっていた。 もはや娼婦以上の濃厚な艶を曝しながらサンジがピクピクしている。 「あぁっ・・・。ゾロ・・・、ゾロっ!もう、・・・・もう我慢できねぇっ・・・。入れてくれっ!!」 甘い声音で先を強請るコックにゾロはその声だけでイきそうになった。もう、何度吐精を我慢しているだろうか、考えたくないほどだった。 自分もすでに限界だ。もはや我慢もここまでだ、と己の息子はギチギチだった。ここまで大きくなったことはないだろう、というまでに限界だ。 それでもと、ギュッと下腹に力を入れて射精を耐えると、じゃあ、とサンジの間に体を入れ込んだ。 「いいか・・・。いくぞ。」 軽く声を掛けると、目の前の金髪がコクコクと上下に振られた。 声のない返事を受け取ると、ゾロは己の砲身を握りこみ、グイと蕾に宛がった。 メリと音がしたような気がして思わず覗き込んでしまったが、ゾロの心配を余所にサンジからはもっと強請っているとしか思えない喜びの声が聞こえた。 実際には痛くないはずはないのに、サンジはゾロの心配を気にするなと言っているようだった。 「ああああああああぁぁんんんっっっ!!!」 ゾロの砲身が入るととたんにサンジの身体が仰け反った。 しかし、それは痛みからくるそれだけではないことが、艶のある声音で容易にわかった。 やはり、とゾロは思った。 ずっと忘れ去られていたかもしれないが、身体はどこかで覚えていたのだ。男を。 サンジ自身は「違う!」と言い張るかもしれないが、この身体が証拠だとゾロは思う。 普通男に抱かれていきなりここまで感じることはないだろう。 ロイとは何年も前に終わったと言っているので、例えばそれから今日まで男とそういう関係になっていないとしても、やはり身体は素直だと思えるほどサンジの感じ方は厭らしかった。 まだ先端しか入れていないのに、こちらがその猥らな身体を抱いているという現実だけで思わずイってしまいそうになる。 「てめぇ・・・・サンジ・・・。イイぜ・・。」 男というものが本当にここまでいいのか、はたまたサンジだからいいのか・・。 余りの良さの理由がわからないまでも、それでもゾロはこの快楽からは逃れられなかった。 サンジもまたこの性交からはもう離れられないのか、ただただ声を上げるばかりだった。 ゆっくりと身体を進めると、猥らに呼吸をしている蕾はどんどんその棒を飲み込んで行く。すっかり奥まで入った肉棒を見てニヤリと笑ってしまった。 軽く数度腰を振ると、そのままサンジの声にあわせて思い切り突く。 「ああっっ・・・。んんあぁぁぁっっ!・・・・・いいぃっっ。・・・・・ゾロッ!」 ぐちゅ ぐちゅ ぐちゅっ!! ゾロの我慢汁が大量に出ているのか、サンジの後孔からはさらに拍車を掛けるほどの水音が響いた。 「うわっ・・・・。あ・・・・・あぁぁんっっっ!・・・・・やめ・・・・っっ!!」 煽られてますます動きを激しくすると、それに答えてサンジの嬌声も一際大きくなる。思わず口を塞いだ方がいいだろうか、と心配するほどの乱れっぷりだった。 グングンと腰を振る勢いが激しくなる。 もう絶頂が近いのだろうか、声も悲鳴に近かった。 「ひいいぃぃっっっ!!・・・・・いいいっっ!ゾロっっ、ゾロッッ!!・・・・イくぅぅぅぅっっっ!!!」 ガクガクと膝が震えだし強張る。 もうどうにも止められないほどの快楽にサンジはゾロを抱く腕に力を入れる。それに応えるようにゾロもサンジの身体を強く抱いた。 こんな気持ちいいSEXは今までなかったとゾロは思った。最高に気持ちいい。 「イきやがれ、クソコック!」 余裕が無いはずなのに、それでも食いしばって先にイってたまるかと、ゾロはサンジをイかせる事を優先させた。 サンジも無意識だろうが、ゾロの欲求に応えるかのごとく絶頂に向かった。 「ああっっ!!・・・・・イくぅぅぅっっ!!!」 ガクガクと震えだしたと同時にゾロの腹に白いものをぶちまけた。ゾロはそれでサンジがイったとわかる。 俺ももう・・・。 そう心で呟くと、グイと力を込めた。 自分の身体もビクビクと震えているのがわかる。思いっきりサンジの奥に己の分身を叩きつけた。過去の男に負けないように。 ロイに抱かれて善がるサンジが脳裏に浮かんだ瞬間、過去最高の快感と同時に嫌悪感も抱いたまま、ゾロは吐精した。 はぁはぁと乱れた息が整わないまま、しばらくお互い抱き合う形で静かに時間を過ごした。 ゆっくりと顔を動かし、サンジの様子を伺った。 汗で湿気った髪がシーツに広がり、しかし肝心の左目はやはり見えないサンジに、今だ冷めやらない熱を体内に再燃しそうになってゾロはあわてて首を振った。 違うのだ。 これは本気と違うのだ。 こいつもそう言ったはずだ。振りをするのだと。この島にいる間だけの期間限定の恋人だ。本気ではないはずだ。 そう何度も頭で呪文のように繰り返した。 男同士の色恋沙汰なんてものを否定はしないが、自分がそうったことに関わるのは、単なる成り行きであって、本当の恋愛ではない。 自分はそんなことに現を抜かしている暇はないはずだ。 亡くなった親友でさえ、女であってもあくまで親友と、友情と割り切り、生きてきたのだ。 仲間である、しかも男で気に食わなくてケンカばかりしている、この女好きのコックに恋愛感情を持つことそのものが間違いである。あくまで振りなのだ、と自分の心の内に言い募らせた。 何度も何度も声にならない呪文を繰り返しているうちにゾロはそのまま眠りへと吸い込まれていった。 |
エロが緩くてすみません・・・。
2006.02.05.