過去と今と未来と3−12
チョッパーが目覚めてから暫くしてルフィも目が覚め、それと同時に新たな島に着いた。 「なんだか島に着くことがわかって目が覚めたみたい・・・。」 ナミは納得いかない顔をしていたが、仕方がない。 「まぁまぁ、ナミさん。仕方ないよ。」 サンジも苦笑している。 「悪かったな、寝ちまって!」 言葉とは裏腹にまったく悪気なく謝る船長の表情に誰もがため息を吐きたくなったが、終わったことは今更どうしようもない。 「どちらにしても、もう島が見えてるから。着岸の準備を手伝って!いい、ルフィ。あんたが一番働くのよ!!」 「わかってるって。この間の戦闘の時の分も働くからよぉ〜〜〜〜。」 ルフィもまた、ナミから襲撃があったことは伝えられた。そして、サンジを混乱させた原因ともいえる煙草についてもだ。 「悪かったな・・。結局、試験薬が足りなくて、結果が上手くでなかったから・・・。でも、あの島に街があるなら必要な試験薬を手に入れられると思う。ちゃんと調べるからな!」 一度は申し訳ないと頭を下げたチョッパーだが、誰もが「お前の責任ではない。」と言う言葉に救われたのか、すぐに明るい顔で現段階でわかったまでを説明した。 結局、麻薬の類には違いはなかったのだが、それ以上の詳しいことは船上ではわからずじまいだった。 「島についたら、詳しいデータもあるかもしれないし・・・。ともかく、慌てても仕方がないわ。ゆっくりと調べましょう!」 例の煙草は、ナミの手によって誰の目にも留まらないところに仕舞われている。 幸いな事にサンジもあれから変わった様子もない。他の煙草に関しても、やはり吸うことはしなかったが、手にしても特に反応することもなかったので、今のところは問題はない、と判断された。 「じゃあ、チョッパーはそっちの方、お願いね。サンジくんもなるべくチョッパーと一緒にいて。で、ウソップもお願いね。それから、買出しは・・・。」 クルリと顔を向けると不機嫌な顔をしたJJがそこにいた。 「買出しは、JJ、お願い。どうせ、ゾロを連れてくだろうから、それでいいわよね。」 ナミの言葉に不機嫌だったJJの気分が少し向上する。 みんなサンジのことばかりで、自分のことを忘れられたかのような気がしていたのだ。 もちろん、そんなつもりはナミにも他の者にもないのだが、今のJJはちょっと過敏になっている。それも仕方がないのかもしれない。 「あ、ちょっと待て。」 ナミの言葉をゾロが絶った。「どうしたの?」とJJまでゾロを見つめる。 「俺は、別に行動する。刀を研ぎに出してぇ。」 「じゃあ、僕も一緒に!」 別行動を名乗り出たゾロにJJが続くが、ゾロは「一人で行きたい。」と言う。 「・・・・・。」 一旦は、浮き上がりかけた気分が急速に沈む。 だが、咋に不機嫌になるJJに誰もがフォローをすることはなかった。 「兎も角、一旦、私は島に降りてログと様子を見てくるから・・・。それまではちょっと待ってて。ウソップ、悪いけど着いてきてくれる?」 ウソップの返事の確認をすることなく決定される内容にウソップは文句を言いたそうにしていたが、しても無駄だろうことはわかっているので、そこは早々に諦めたようだった。 そうこうしているうちに湾内に侵入する航路に入った。 が、これは海賊船だ。素直に港に入るわけにはいかない。 島から船影がわかる前に海岸線に沿って船を進め、人が近寄らないような岩陰を見つけて船を隠す。 そのまま、ナミはウソップを連れて船を降りた。 先に降りようとする船長は、ロビンの咲かせた手によって留められる。 「ちぇっ」と口を尖らせる船長に軽く苦笑するが、なんとなく場の空気があまり良くないように感じられてサンジは会話中に出されたコップの片付けに専念した。 チョッパーは医者としてより、ただ単にお手伝いとばかりにサンジの傍に来て、洗ったコップを拭いてくれる。 一旦は、早く島に降りたい、と騒ぐ船長だったが、ロビンが上手く扱ってくれているのだろう。今は大人しく甲板で遊んでいるようだ。 暫くして、ナミがウソップを連れて帰って来た。 「どこにでもある島ね。結構人はいるけど、割りと穏やかな方じゃないかしら・・・。もちろん、裏道と称する通りがあったから煙草の件を調べるのならそっちの方へ行った方が話は早いけど・・・、でもなるべく騒ぎを起こしたくないの。海軍も結構ウロウロしているらしいわ・・・。」 煙草を調べるのなら、本来荒くれ者や裏家業の人間が集まる場所の方が適しているのは考えるまでもないのはわかっている。だが、ログを考えると今日明日に出航できるわけではない。早々に騒ぎを起こしてもらっても島から出られないので、困るのだ。 「調査は当初の予定通りチョッパーとウソップとサンジくんで行動して。このメンバーが一番騒ぎを起こさないでしょうから。ただ、サンジくんの様子が少しでもおかしかったら即座にその場を離れるのよ!私とロビンは別行動で調べるわ。」 「俺も一緒に調べるぞ!サンジの為だもんな!」 「でもねぇ・・・。」 ナミがため息を吐いた。 いつもなら「冒険だ!」と飛び出す船長も今回は悪いと思ったのか、彼なりに協力しようという姿勢を見せるが、騒ぎを一番起こす確立が高い人間でもあるのだ。 「じゃあ、ルフィは私達と一緒に。いい、絶対に大人しくしててよ!!!・・・・で、買出しは、やっぱりゾロとJJで。とりあえずの食料を調達してから単独行動よ、ゾロ。」 「仕方ねぇな・・・。」 頭をぼりぼりと掻いて、ゾロもナミの指示に従った。 「ログは一週間。調査のことを考えると長いようできっと短いわ。なるべく要領よくやりましょう。何かわかったら、帰ってきてからみんなに報告ね。」 今後のことが決まると、それぞれが指示に従うべく動き出した。 |
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2007.07.08.
単なる繋ぎですみません。